平清盛 第八回
月曜日の昼間の休み時間なんかは、前の日つまり日曜日のテレビであるとかの話題になりそうなものなのに最近そういう話題にはならない。あっても今日みたいにスカパーで放送したハロプロの正月コンサートとかのほうが「話題として成立する」みたいな感じなのだ。仙台出身のモーニング娘。のメンバー石田亜佑美のパフォーマンスの話題だけで30分も話が咲くっていうのも…、まあなんていうのか、かなり世間ずれした集団だということには違いないだろうが。当然、月曜の昼間このNHK大河ドラマ平清盛の話題になったこともほとんどない。むしろ放送前のほうが多かったのではないかな。「○○よりはマシになるだろうね」という期待を込めたものだったが。じゃ誰も見てないかというとそうでもない。見ている人は見ているだろうし、なんとなくだが話題にしにくいというのが本音のところではないだろうか。端的にいうと「何をどう見ればいいのよ」という感じか。自分みたいに「源氏パートは結構よくできてる」なんていう評価をする人間なんて誰もいない。いたとしてもそれはあくまでも皮肉としてそう言ってみただけの人だろう。帰りのクルマの中でようやく気づいたのだけれども、この「平清盛」を録画したものを見ているという人はけっこう多いようだった。「ああ、なんとなく録画しておいて水曜日とかほかに見るものがないときに見る、みたいな感じっすかね」と言っていた人間もいた。自分もそれに近いか。大体は日曜日中に見ることはみるのだけれども。その友人もまた日曜八時に家族(や友人の家族)と一緒に見るということはほとんどなくなったという。なにしろ「こっちはともかくとして向こうが嫌がることが多い」というからだ。とくに若い女性がいるときなんかは八時になると容赦なくチャンネルがほかに替えられた、みたいな経験をしているみたい。前に書いた「家族とは見にくい」とぼやいていた病院のおじいちゃんたちと同じである。この第八回目、内容的なことをいうならば今までの中では一番見ごたえがあった。最大の功労者は藤原頼長の山本耕史につきるだろう。[追加]なんとなくだが頼長が出ている時間帯だけはこのドラマ実に安定していて楽しむことができていた自分である。頼道はこのドラマでは「腐敗した」とされている宮中にあって、その腐敗した宮中の中心に非常にちかいところで政(まつりごと)に携わってながらも、どこか居心地の悪さを感じながらもなすすべもなくただ学問の道に暮れていた人物として描かれている。ところが「平清盛」という異端児の存在によってかつての野心に再び火をつけられ、それをどうしてやろうか、どういう方向にもっていこうかと画策して源氏と平氏をともに利用しようとして、製作者サイドとしては「それが後の保元の乱の発火点になるのだ」ということにしたいのだろうが。