「風林火山」第11話
先週のことがあったので土曜日の再放送をしっかりと録画して見た。見ていて良かったとおもった。それだけ先週と今週はストーリー的にも人物関係的にも繋がりが深い。だけに逆に小さな脚本のほころびにも敏感になってしまったが。(後述)とはいえ総体的にいえば素晴らしい脚本だったことは間違いはない。今川での歌会の部分(伊武雅刀、あやしすぎw)であるとか、北条氏綱の語りであるとか、伝兵衛の「ミツが甲斐の土になってくれたおかげで(それがきっかけとなって信虎追放に繋がった、ということだろう)」と述懐するシーンとかそれだでも一話はイケるというシーンが盛り沢山。非常に贅沢な回だったと思う。やはり先週書いた通りで、今回は「信虎=仲代達矢」につきるでしょう。信虎中心の今話に関してはもう文句のつけようのない出来で、6時台のBSHIを見終わった時点で一度燃え尽きてしまいました。自分がのほうが。はたして来週からこのモチベーションで見つづけることができるのでしょうか?不安になってきました。展開が原作の部分に差し掛かってきただけに。それにしてもしみじみと感じるのは、最近のビデオ撮りの時代劇もカメラそのものの高性能化の影響でしょう。以前ならありえないようなことまでも見せてくれたのには感慨深いものがあります。今回は国境の門砦でのシーンがそうです。今までのドラマとは一味も二味も違う、臨場感というかライブっぽさが溢れていて、この部分は何度も繰り返し見てしまいました。カメラの位置は結構離れているのに一列に並んだ武田の家臣(皆名前に信虎の名前の一字を頂く)を一本のカメラでズラーと見せてくれたり、同時録音で晴信と信虎の問答の声を入れたりと、結構この「風林火山」では新しい試みというか「いままではちょっと出来なかったな」というカメラワークがふんだんに使われており、それがこれからの時代劇の方向性みたいなものを示唆していて非常に興味深いところです。もちろんそういう斬新な試みを取り入れたために役者の皆さんだけではなくスタッフ全員にも相当なプレッシャーがあったと思われます。特に仲代達矢と晴信の亀治郎の役者としての「声」の素晴らしさが発揮されていたと思います。仲代さんに関しては今更という感じですが、流石日本を代表する舞台俳優です。きっとあのシーンに関しては舞台俳優として信虎を演じたのではないでしょうか。あと、すげーなぁ、亀治郎。先週も書きましたが、亀治郎の演技はここ数話でどんどんと良くなってきましたね。やっと晴信の実年令に近くなったので隠していた本領を発揮させだしたのでしょうか?今回のツバを飛ばしながらの大熱演お見事でした。普通ならNGだけどさ。夕飯どきだし。ただ、ちょっとアレだったのが四方堂亘の青木大膳の登場の仕方。いきなりの登場の仕方に「コントなのか?出落ちかよ」とズコッとなってしまった。もうちょっとなんとかならんかったものか。大森さん(脚本家)よ~。先週の分て庵原の若旦那の後をこっそりとつけて行ったとかのシーンを挟むとかしてくれれば・・・などと思ってしまいましたが。前にも書いたことあるけど、知り合い(むこうもこっちのことを知っているという意味でですよ。覚えていてくれればですがね)の俳優さんなのでかなり贔屓目でみているだけになおさらそういう目でみているからかもしれませんが。まあ、最後に暴れる信虎をおとなしくさせてしまったという美味しいところもあったのでこれでプラマイオーケーということにしておくが。まあ来週はその青木大膳の最大の見せ場。楽しみではあります。(やはり原作通りなのか?)あと、全国に1,000万人(主催者側発表)いると思われるミツのファンの期待に応えるためでしょう、回想シーンがてんこ盛で、「ああこれで第一部終了なんだなぁ」と感慨がありましたな。しかしすでにそのミツ(=貫地谷しほり)のことを「次々回の朝ドラの主役の」と冠つきで見ている自分がいたりするわけです。これがまた。自分としては勝手にここで麻利支天がどう絡んでくるんだろうとか予想していたのですがどうやら今回はなしのようですな。まあいい。これで燃え尽きるのが阻止されたのかもしれないし。※それにしても、9時からの木村君のドラマの最終回、やっぱり酷い出来だったそうですな。「30分延長する意味ないじゃん!」とか怒っていたひと、結構多かったっす。ていうか、やはりあのなんとかの一族は映画版の鉄平役の人と較べられたら木村君が可哀想でしょう。それに聞けば、みのもんたのナイスフォローで(皮肉てすよ)放送前にラストのネタばらしがされていたというし。(なに考えてんだか)