【復刻記事】2004 「墨を塗ったような暗闇」とか、「鼻をつままれてもわからない」とか「漆黒の闇」とか・・・。昔の夜の暗さはいろいろに表現される。 「墨を塗ったような暗闇」とか、「鼻をつままれてもわからない」とか「漆黒の闇」とか・・・。 昔の夜の暗さはいろいろに表現される。 現代の日本の夜は明るい。 どの部屋も蛍光灯が煌々と隅から隅まで照らす。 比較するものと言えば、日本の昔の夜の闇。 その他には、日本の戦前の夜の茶の間。 時代は今だけれど、欧州の家々の部屋の灯りだろうか? 西欧では明るい部屋はパーティー用だけだ。 ~~~~~~~~~ 私は幼児だったけれど、太平洋戦争末期の、米軍の日本を焼き尽くす空襲の恐怖の下で生きたことのある人間だ。 「B29 日本本土の大爆撃」 サンケイ新聞社出版局発行の「第二次世界大戦ブックス (4)」という本がある。 ~~~~~~~~~ 「超空の要塞」B29を、米国のマスコミは、“地獄の巨鳥”とか“火の鳥”とよんだ。 それはB17「空の要塞」の二倍も大きい巨人機であった。 500機にもおよぶその大編隊は、日本の主要都市を焼け野原にした。 日本の降伏があと一、二ヶ月おくれたら、B29の1000機編隊の大爆撃が、日本列島を“化石の荒野”と化して、原爆の投下を待たずとも、日本帝国は完全に消滅したであろうーーーと米英の戦史家はいっている。 ~~~~~~~~~ 米軍の原爆投下に勝るとも劣らない、この残酷極まる日本空襲に関しては、また別に日記で語ろうと思う。 ~~~~~~~~~ 閑話休題。 私も一度、そんな太古の昔のような、漆黒の暗闇を経験した。 私が30代の頃、私の会社の女性の先輩が信州に別荘を持っていた。 私のお願いに対して、その先輩の別荘をただで貸してくれるという。 この女性は私が新入社員として入社した頃からの先輩で、私を可愛がってくれた人なので、お願いしてみたのだ。 当時、私にはガールフレンドがいて、アメリカ人の女性だったけれど、なんとか彼女ともっと intimate な仲になりたいと思っていた。 intimate と言う言葉はいちおう日本では一般的に「親密な」と言うことになっているけれど、男女間で使うと、「一線を越えた」という、大変な意味の仲を指し示す言葉になる。 私としては、ここで「一線」も「ニ線」も越えて、(もっと越えてもいいんだが・・・)(相手次第かな?)、彼女との男女間関係の、「成層圏安定水平飛行」に入りたい気持ちがあったので、この信州の別荘は絶好の舞台だった。 二人で人里離れた信州の別荘で過ごせば、なるようにしかならないではないか? 極めて自然に intimate relatioanship に収斂することがヴィジュアルにシミュレーション出来る。 ジグゾーパズルというものがある。 凸というものがあれば、凹が応える。 魚心あらば水心。 これをいくら強調しても空しいかも知れない。 凸よりは凹が好きな私ですが・・・。 ~~~~~~~~~ ビジネスの関係でつきあっていた他社のポン友に、「この檜舞台でどういう効果的な、端的な性的行動を取ったらいいのか?」という、哲学的アドバイスを求めたら、『alexさん、別荘では、有無を言わせず彼女を【外掛け】で一気に倒しなさい!』という、貴重なアドバイスをいただいた。 果たして【外掛け】が四十八手の中で、一番有効な業かな?という素朴な疑問はあったが、とにかくワクワクした。 軽井沢からはちょっと遠いが、信州の、白樺の林に囲まれたフィンランド直輸入の白木のコテッジでの、【外掛け】という人為的な、恣意的な、革命的な(それほどでな無いね)、運動によって、相思相愛の?男女の愛が結晶するのだ。 【内掛け】 の方が、目的完遂には早いのではないか? (内側だから)、という現実的な事も考えたが、【外掛け】の方が豪快なイメージがある。 【あびせ倒し】とか、 【押し倒し】も【倒し】業だからいいとは思ったが、そのへんの細かい差異は、いざ、現場に立ってみるとあまり意味をなさないのではないか? 業をかけられる相手側の感情も勘案しなければならない。 とにかく【すくい投げ】だけはいけない。 相手に屈辱感を与える。 【一本背負い】は致命的にイケナイ。 相手に逃げられてしまう。 それに【寄り切り】だけだと、水平移動だけで何も起こらないので、この決まり手も避けたい。 一応は、そういう、プラクティカルな考察もしてみた。 とにかく、【業をかける】という積極性が大事なのではないだろうか? さもないと、【教育的指導】を言い渡されて、【効果】【技あり】と、立て続けに不利な体勢になるかも知れない。 【消極的とは、善くないことなり】と武者小路実篤さんも言っている。 (言っていないか?) とにかく、【外掛け】 なら、ガールフレンドが「あれ~~! ご無体な・・・」と言いながらも、素直に!私の言うことを聞くような気がしてきた。 日本の伝統業の威力を知って、歴史の浅い米国の現在の不条理な優位を反省してくれればもっといいかも知れない。 彼女にすぐ、この、「別荘で水入らずプラン」を話したら、「ハウ・ナイス!」と喜んだ。 そのあどけない表情にウソはない。 彼女も【外掛け】を、心の底では望んでいるのだ。 もう怖いものはなんにもない。 一人で、足をとばして【外掛け】の練習もした。 ~~~~~~~~~ しかし、世の中そんなに甘いもんじゃない。 いろんな事情で、彼女は米国に急遽帰国することになった。 で、仕方が無いので私はむさ苦しい会社の後輩を引き連れて、信州の別荘におもむいた。 確かに信州だけれど、ここには堀辰雄が保証したような「麦わら帽子をかぶった憂愁の美少女」なんてどこを探してもいない。 ここは「美しい村」ではないらしい。 「菜穂子さん」とつぶやきながら雑貨屋に入って、今夜の食材を買い込んだ。 別荘で食事を作った。 私は山岳部にいた人間だからキャンプ食は女性より上手だ。 とりあえずは、腹が一杯になったが、野郎ばかりではその後に何もすることがない。 それでも、時間は散文的に、自動的に経過する。 まもなく、日が暮れて、もう眠ろうということになった。 林の中にある別荘は、室内の灯を消すと、本当の漆黒の闇になった。 耳がシ~~ンと鳴るほどの無音の世界でもある。 「ふ~~ん、昔の人間はこんな夜の中で、ドップリすごしたのか」 しみじみ、そう思った。 座頭市が有利な世界だと思った。 私のそんな深遠な哲学的な思索に感応したのか、いつもはがさつな後輩達も、言葉少なである。 一人で林の外に出てみたら、それこそ、満天の星。 降って落ちてきそうなのだ。 【外掛け】の他にも、有効な業として、【内無双】とか、【小股すくい】とか、手を使う業の方が有効かも知れない。 今ごろ、業の思いをめぐらしても、空しいか?
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.09.22 21:03:25
コメント(0) | コメントを書く
[🔴 W【女性】記憶の中の女性 恋愛・セックス] カテゴリの最新記事
|
|