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復刻 ヴィエトナムで経験した「もう少しで死にそうだった」経験を書いてみたいと思う 2004.04.19
冥途の土産に(笑)私のブログを書こうという動機になったベトナム体験を、もう一度、復刻しようと思い立った ブログを書き始めたばかりなので、文章の密度が希薄である しかし、今回は、原文のまま復刻しておく タイトルは「もう少しで死にそうだった」経験」となっているが この時点では死に損なっていない(笑) ただ、この後で、本当に死の掛けた経験が何度も出てくる ーー 復刻過去ログ ーー 一昨日の日記で、ヴィエトナムに赴任したことを書いた。 ヴィエトナムでの経験については順々にいろいろ書いて行きたいのだが、今日はヴィエトナムで経験した「もう少しで死にそうだった」経験を書いてみたいと思う。 当時のヴィエトナムはヴィエトナム戦争の戦火が燃えさかっている時だった。 ヴィエトナム戦争とはサイゴン(現在のホーチミン)を中心とする南ヴィエトナムとハノイを首府とする共産主義国家の北ヴィエトナムが、いわば北朝鮮と韓国の様な形で戦争をしていたのだ。 ヴィエトナム戦争はこの2国だけの戦争だけではない。 南ヴィエトナムの中では北ヴィエトナムと連携したゲリラ組織、いわゆるベトコンが暗躍していたし、南ヴィエトナムを助けるために数十万人の米兵が派遣されて北ヴィエトナムと戦っていた。 ベトコンの浸透ぶりはすごくて、特に夜間には活躍した。 南ヴィエトナムは「昼間は南ヴィエトナム政府が、夜はベトコンが支配している」と言われていた。 ~~~~~~~~~ 赴任した夜、宿舎から出て散歩をしてみた。 ヴィエトナムはフランスの植民地だったから、サイゴンに限らずヴィエトナムの大都市はフランス式の並木道のある瀟洒な街並みになっている。 街灯があまり無いので一部は漆黒の闇になっている。 遠くで米軍が夜間を利用して接近してこようとするベトコンを威嚇するために絶えず打ち続けている大砲の響きが「ドーン ドーン」と定期的に響いている。 しばらく街路を歩いていると完全武装の兵隊が目についた。 近づいてみるとヘルメットに防弾チョッキ、迷彩服、軍靴・・・、それに弾帯を身体に巻いている。 手にはM-16ライフルが握られていて、私が近づくと警戒の身振りでライフルを握り治している。 そこにはコンクリート製の交番のような施設が作られていて砂袋で周りを囲まれている。 それほどの警戒ぶりなのだ。 それもそのはず、サイゴンはその前の年、旧暦の正月(ヴィエトナム語ではテト(テット)と呼ばれる)にはベトコンの部隊がサイゴンの中国人街を中心に攻め込んで激しい市街戦を行った。 これは俗にテト攻勢とよばれている。 ベトコンと言っても同じヴィエトナム人だから一見してわかるわけではない。 今のイラクよりわからない。 今のイラクならシーア派の街とスンニ派の街が分かれているが、ベトコンは普段の生活は一般人の生活をしているのだから、見分けが付かない。 それが夜間に暗躍して時限爆弾・プラスティック爆弾をしかけたりする。 だから、このような厳しい警戒になっている。 実はこの完全武装のチェック・ポイントの前を恐る恐る通りながら、急に激しい恐怖感に襲われて膝がガクガクして,宙を歩くような感覚になった。 あらためてここは戦場だという事を実感した。 おまけに宿舎の前は交差点になっていて、そこにチェッキング・ポイントがある。 警官や兵隊が常駐していて「怪しい」というものが通りかかると検問する。 通りかかるといってもこの交差点を通る人間はほとんどがホンダに乗っている。 ホンダというのはミニバイクの代名詞だ。 ヤマハのホンダ、スズキのホンダ、カワサキのホンダもあるわけだ。 検問されても止まらないホンダがあると、まず「ピーッ!」と笛が吹かれる。 それでも止まらないと(意図的であろうと、自分だと言うことに気がつかなかったとしても)問答無用で「バン バン バン」と拳銃またはM-16ライフルが発射される。 はじめは威嚇射撃だろうけれど、その内に本当に打つ。 宿舎の自室にいてもこの威嚇射撃が一時間に一度ぐらいは行われる。 これもそのうちに慣れてしまうのだから、人間というものは恐ろしい。 ~~~~~~~~~ この宿舎の前には仏教寺院があって、小乗仏教特有の柿色の衣を羽織った僧侶が出入りしていた。 当時は仏教徒が政府と敵対的な関係にあった。 そのせいもあってだろうか?ある夜、完全武装の部隊がこの寺院を囲んで何時間も機銃掃射を行った。 夜間になると数発に一発入っているえい光弾が赤いアイスキャンデーのように輝きながら寺院の中にすこまれている。 このえい光弾は夜間の射撃の弾道を確認するもので、それを修正させる機能をもっている。 宿舎の前に出てこの戦闘をのんきに見物していると、それが気にくわなかったのか?兵隊がこちらにも撃ってきて、私の足元に着弾してパッとコンクリートから砂煙がでて宿舎の鉄の扉に当たった。 大あわてで扉の中に隠れて覗き穴から観戦?した。 この戦闘で死者が出たのかどうか?わからないままだった。
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