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カテゴリ:プラモデル・大戦機
久々フィンランド関連のプラモデルです。 メッサーシュミット戦闘機は、第二次大戦当時のドイツ空軍を象徴する戦闘機です。戦争映画をあまり見たことがない方も、「インディー・ジョーンズ」シリーズなどの映画の中で、チラッと出てきたところを見たことがある方も多いかなと思います(そこでの描かれ方は酷いものですが・苦笑)。 さて、このメッサーシュミット戦闘機ですが、大きなタイプだけで15種類(試作機のみで終了したタイプを含みます。小さな改良型を含めると、なんと60種類以上バージョンがあります)、合計で3万機以上生産され、第二次世界大戦を通じて戦い続けた名機です。 この機の特徴は、エンジンの出力を十二分に発揮できるよう、翼と機体をコンパクトに設計された点です。同じ時代の他国の戦闘機と比べると、メッサーシュミットは一回りぐらい小柄です。 そのためメッサーシュミットは、速度と上昇力がずば抜けていました。敵機が後ろについても易々と振り切り、反撃に転じることが出来ました。一撃離脱方式の空戦を得意とする戦闘機だったのです。 この機に乗って30機以上の撃墜を記録したフィンランド空軍の撃墜王エイノ・イルマリ・ユーティライネン准尉も、「上昇速度とスピードで、メルス(メッサーシュミット戦闘機のフィンランドでの愛称)についてこれるソ連機はなかった」と発言しています。 旋回能力を重視した格闘戦が主体であった当時、現在の戦闘機同士の戦い方である速度と上昇力を活かした一撃離脱方式の戦闘機を作り出したドイツ軍は、やはり戦術理論に長けていた軍隊だったと言えそうです。 第二次大戦初期から中期にかけて、この小さな戦闘機が欧州の空を制していました。 しかし、メッサーシュミットの小さすぎる機体は、戦争が進むにつれ欠点となっていくことになります。 小さな機体では、武装の強化が難しく(F型以降のメッサーシュミットは、日本の一式戦同様、翼の中に機銃を搭載できない構造になっています)、戦争中期以降、米軍のB17、B25等の重装甲を持つ重爆撃機群相手に、苦戦を強いられることになります。米軍重爆撃機の重装甲に苦しんだのは、日本だけではなくドイツも同じだったのです。 また航続距離の不足も重大な欠点でした。 生産タイプにより性能は異なるものの、メッサーシュミットはおよそ570~700km程度しか飛べないため(参考までに零戦21型は増加タンクを付けると3500km飛べました)、侵攻してくる敵を迎撃することは出来ても、広大なロシアのソ連軍後方拠点や、海を渡ってイギリスやアフリカから飛来してくる米英軍重爆撃機の航空拠点を、制圧することが出来ません。機体内の構造上燃料タンクの増設も出来ず、航続距離の短さは大きなアキレス腱でした。 1940年のバトル・オブ・ブリテンの敗北も、この航続距離不足が大きく足を引っ張りました。 こうして戦争も後半になると、ドイツ軍の劣勢と相まって、メッサーシュミットは凋落していくことになります。 さてメッサーシュミットのG型シリーズは、戦争中盤1942年から生産が開始され、最も量産されたタイプです。 前のF型に比べて速度と防弾装備が向上したのが特徴です。G-6型では機首の機銃も7.92mmのMG17機銃から、13mmのMG131に強化されました。 と、前置きが長くなりましたが、ここからフィンランドでの話になります。 メッサーシュミットG型は、ヒトラー総統の政治的な判断で、フィンランドに30機が輸出されることになります(販売されたのは、G-2型とG-6型です)。 何せそれまでフィンランドが使っていた戦闘機は、フォッケル(オランダ製フォッカーD21戦闘機)やブルーステル(アメリカ製ブルースターF2Aバッファロー戦闘機)という「二流戦闘機」しかありません。ソ連軍機も続々と新鋭機を投入してきており、次第に苦戦を強いられつつあり、性能の良いドイツ戦闘機を欲しがっていたのです(本当はメッサーシュミットではなく、フォッケウルフ Fw190の方が、頑丈で整備が容易だったので、そちらを売ってくれるよう交渉していたのですが、断られてしまいました)。。購入したメルスは、優秀なパイロットを集めて構成された第34戦隊や第24戦隊に配備されます。 1944年6月、ソ連軍大攻勢が開始されると、2000機もの航空機を投入してきたソ連軍相手に、エイノ・イルマリ・ユーティライネン(94機撃墜のエース)、ハンス・ウィンド(75機撃墜)、エイノ・アンテロ・ルーッカネン(56機撃墜)らエースパイロットたちはメルスを駆って奮戦し、ソ連軍がタリ・イハンタラの戦いで敗退するまでの約40日の間に、なんと425機ものソ連軍機を撃墜する戦果を上げています(メルスの損失は18機)。 まさに鬼神の如き奮戦だったと言えそうです。 陸の戦闘でソ連軍を食い止めたのが、ドイツから買ったIII号突撃砲なら、空からのソ連軍の攻撃を挫いたのは、このメッサーシュミット戦闘機でした。 フィンランドのメッサーシュミット戦闘機は、その後もフィンランドの空を守り続け、ジェット戦闘機全盛時代を迎えた1960年代になるまで現役で使用されることになります。 プラモデルキット 「1/48 ハセガワ メッサーシュミット Bf109G-6 フィンランド空軍」
買ったのはけっこう前なのですが、ようやく作ることが出来ました♪ G-6型は、翼の下に20mm砲のガンポッドという追加武装を2門付けることが出来ました。 ただガンポッドを付けると、旋回時機体がぶれて照準がつけにくくなってしまい、敵戦闘機と戦いにくいことから、フィランド軍では付けないで戦うことが多かったようです(これはソ連軍が、米軍の持つB17のような重装甲の重爆撃機を、保有していなかったことも一因のようです)。
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