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カテゴリ:防災・減災・生存術
のっけから不吉なタイトルで申し訳ございません(汗)。しかし不安を煽るような話をするつもりはございませんので、慌てないでくださいね。 最近、プラモや歴史関係の話に片寄って、火山や地震の話をしていませんでした。 内容が内容なので毎回というわけではありませんが、これから来るだろう災害に関する話なども、機会を作りながら色々書いていきたいと思います。 まぁ、私の知識だと拙いので、あまり参考にはならないと思いますが、これがきっかけとなって、興味をもって専門的な勉強をする方が1人でも増えてくれればいいなと思っています。
東日本大震災後、週刊誌などで「東海地震が年内にやってくる!」「富士山が噴火する!」というような見出しをよく見かけました。今は少なくなってきましたが時折見かけます。 例えば富士山ですが(早くも話が脱線)、2011年の夏辺りまでは「年内に噴火!」、年後半になると「来年(2012年)に噴火する!」となり、そして2012年になるとまた「今年噴火する!」、年後半になると「2013年に富士山大噴火!」と続き、今年もすでに「2015年までに富士山は噴火する!」と言う広告を見かけています。私が気がついていないものもあるでしょうから、この手の特集はもっと多くあったのではないかなと思います。 いくつかの記事を読んでみましたが、途中で読む気を無くすような、地学の基礎的な知識を欠いているものが多くて(私も人のこと言えませんけどね・汗)、とても悩ましい気持ちになりました(ついでに言うと、富士山噴火話の出所の大半は、某大学の一人の研究者に行き着きます。その方は有能な研究者の方ですが、過激な言い方を好むため、取材側がそれを大げさに解釈したり、一部分だけを取り上げて大騒ぎしているパターンが見受けられます)。 本来正しい情報を伝えるのが仕事のメディアが、販売部数を増やすためなのか、いい加減な話を載せてもいいのかと思う時があります。 富士山の噴火周期はおおよそ300年と言われています。最後の噴火が1707年の宝永大噴火でしたから、すでに活動周期に入っていると言えます。しすし、現在の所(2013年1月末時点)、気象庁が出している情報を見る限り、噴火の兆候は観測されていません。 噴火周期に入っていることを考えると、科学的な根拠の希薄な「20XX年に富士山が噴火する」てな記事に、たいして意味があるとは言えないでしょう。言うなれば「今年も秋に台風がやってきて大雨になります」と言うのと 同レベルの話です。 その手の記事に惑わされず、日頃からいつ災害が起きても対応できるよう心構えをして準備に気をつける。それが一番の防災対策です。 ついつい富士山の話にそれてしまいましたが(こちらの話もしたくてうずうずしているんですよね・苦笑)、それは別の機会に致しまして、今回は地震に関する当たり前の話(上の「今年も秋に台風がやってきて大雨になります」と 同レベルの) をしたいと思います。 それは南海トラフ巨大地震(東海・東南海・南海3連動地震)のことです。 この名称を聞いたことがあるという方は多いと思います。実を言うと私は東日本大震災より、こちらが先に来ると思っていたんですよね・・・。 南海トラフ巨大地震で想定されている被災範囲は、関東から九州に及び、沿岸地域では大きな津波も予想され、はては内陸の長野県や岐阜県、日本海側の北陸や山陰地方も大きな被害が出る可能性が指摘されています。 実際に発生すれば、西日本大震災と呼ばれる災害規模となるでしょう。多くの専門家から、2030年代が本命、遅くとも2040年代までに発生すると考えられています。 南海トラフ巨大地震の震源域は、フィリピン海プレートとユーラシア・プレートの境界にあります。発生周期は90~150年ぐらいで、東から東海、東南海、南海の3つのエリアに分けられています。 3つの震源域は互いに連動する特徴をもっており、どれか1つで地震が起きると、他の2つもスイッチが入る場合が多い、厄介な構造になっています。 最初の地震から、隣の震源域で地震が発生するまでの時間は、 数十秒~数年と、それぞれの地震周期が微妙に異なるため時間に幅があります(2つまでしか連動しない場合もあります)。しかし一端入ったスイッチを止める方法はありません。 前回最後に起きた南海トラフ地震は、昭和南海地震(1946(昭和21)年12月21日。マグニチュード(M)8.0)です。この南海地震は、2年前に起きた昭和東南海地震(1944(昭和19)年12月7日。M7.9)に誘発されたと考えられています。 その前の安政大地震(1854年。M8.4)の時は、まず安政東南海地震がおき、その32時間後に安政南海地震が起きています(安政、昭和の2つの地震の時、東海地震は起きていません)。 安政の前に起きた宝永大地震(1707年。M8.6)は、3つの震源域でほぼ同時に発生し(数十秒程度の間隔で発生したと考えられています)、関東から九州に至る地域で深刻な被害をもたらしました。 しかもこの地震の49日後に富士山が大噴火(宝永大噴火)しました(富士山の話は前にブログで書きましたね、と露骨にコマーシャル・笑)。宝永大地震が富士山噴火に影響を与えたと考えられています。 3つの地震が同時に発生するタイプの南海トラフ巨大地震は、およそ300年周期で起きると言われています。 今年(2013年)は宝永地震から306年となり、周期性から考えると、次回の南海トラフ地震は、東海・東南海・南海の3つの震源域が同時に地震を引き起こす可能性が高いと言われています。 過去の事例からわかっていることをまとめると以下のようになります。 ・時間的な規則性をもっている(例えば「50年ごとに地震が起きる」というような) 過去20年ぐらい起きている大型の直下型内陸地震をみると、阪神・淡路大震災(1995(平成7)年)に始まり、鳥取県西部地震(2000(平成12)年)、新潟県中越地震(2004(平成16)年)、福岡県西方地震(2005(平成17)年)、岩手・宮城内陸地震(2008(平成20)年)が発生しています。 地震大国である日本は、東日本大震災前から度々大きな地震に見舞われており、どれが南海トラフ地震の前兆といえるか判断できませんが、仮に阪神・淡路大震災が皮切りだとすると、2045年位までに南海トラフ地震が起きる事になります。2030年代までに、南海トラフ地震が起きる可能性が高いという専門家の予測と重なることは確かです。 実際に南海トラフ巨大地震がおきた場合、どれぐらいの被害が出るかですが、内閣府の中央防災会議では、宝永大地震(M8.6)より規模が倍近く大きいM8.7、犠牲者2万5千名、経済損失81兆円と試算しています(ただし、東日本大震災後、M9以上の地震が起きる可能性も指摘されています。その場合災害規模はさらに大きくなると思われます)。 もし東南海地震発生後、早期に東海地震が発生した場合、首都東京は大打撃を受けることは避けられません。政府機能が麻痺すれば、関東から九州までに及ぶ広域の被災地への救援活動は大きく停滞、遅延する可能性は極めて高いと思われます。 東日本大震災の時、東京の政府機能に大きな問題はなかったのに(ここでは政府の対応能力がどうとか、そういう問題には触れません・苦笑)、被災地が広域で情報も錯綜して、救援活動が大きく混乱したのは記憶に新しいと思います。同じ事態は考えておいた方がいいかもしれません。 科学技術が発達した今日においても、人間の力で地震発生を防ぐことは出来ません。地震が不可避なら、その日に備えて準備を進める必要があります。 仮に2030年に南海トラフ巨大地震が発生するとした場合でも、まだ17年の時間的な余裕があります。その間に国や市町村レベル、個人レベルまで様々な対策が出来ると思っています。その準備次第で大きく犠牲者数を減らすことは出来ます。 今からどのような対策が出来るか、学び、準備を進めていくことは決して遅い話ではありません。 これからもそういった話を、ブログで触れてみたいなーと思います(不定期なので気長にお待ちください・多汗)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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