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カテゴリ:プラモデル・艦艇
ブログ初の艦艇プラモです。 栄えある(かどうかはわかりませんが)一番手は、超弩級戦艦大和級の二番艦として建造された武蔵です。ちなみに日本で建造された最後の戦艦であり、大和と共に世界で唯一の46センチ砲(18インチ砲)を搭載された戦艦でもあります(世界最後の現役戦艦アメリカのミズーリ級の主砲は40.6センチ砲(16インチ砲)で、単純なパンチ比較なら、大和級の主砲の方がミズーリより50パーセント増しぐらい威力が上です)。 普通は武蔵より大和の方が先に来るのでは? と言われそうですが、そこは私の独断と偏見です。 いやだってさぁ、武蔵って、影が薄いというか、かなり扱い可哀想じゃないですか。 武蔵は、大和が建造中に生じた問題点や、改善点(旗艦として使用することを前提に、通信設備や司令部機能の充実など)を取り入れて機能強化を図ったり、あと大和は呉海軍工廠で建造された官製であるのに対して、武蔵は三菱重工業長崎造船所で建造された民間造船所生まれですが、その辺も特に意見あまりありません(長崎は高台が多く、造船所の位置が見渡せてしまうため、極秘建造に関わる様々苦労話も多々あるのですが、その辺を詳しく知りたい方は、吉村昭氏著の『戦艦武蔵ノート』や『戦史の証言者たち』の第一章を、ご覧いただきますようお勧めします)。 やっぱり、戦争中は極秘で名前すら国民に知られていなかった上に(それは大和も同じですが)、大和より後に生まれて先に沈んでしまったという不運さや、大和が、沖縄への水上特攻という、太平洋戦争敗北の象徴とも言うべき最期を遂げたのに対して、影が薄いんでしょうね。ドラマ性が薄いというか・・・(ボソ)。 ドラマや映画、小説でも、大和メインで、武蔵を主人公にした作品はほとんどありません。まぁ『男たちの大和』ならぬ『男たちの武蔵』という映画を作っても、いまいちピンと来ないような気がするのは、わたしの偏見というわけではないでしょう。 この武蔵の不憫さは、未来においても顕著のようです。 大和は、今年(2013年)から186年後の未来に、宇宙戦艦になって復活して、地球を救うために旅立つ予定があるのに(オイ)、武蔵の方は完全に忘れ去られています(オイオイ)。 あ、アニメ『宇宙戦艦ヤマト 2199』が4月からテレビ放映だそうです。 私はDVDで、すでにはじめの方観ていますが、設定が現実的になって(たとえば、旧作では出てこなかった階級がきちんと出てきて、地球防衛軍は軍隊らしくなっていますし(ちなみに宇宙戦艦ヤマトの海外公開版では、この辺を非常に不自然に感じたようで、登場人物の立場に見合った階級をつけて、呼んでいたようです)、ガミラス側の登場人物も、ただの敵役ではなく、地球人と同じ血の通った「人間」として描いている所など)リアルになっていて、面白い作品に仕上がっています(10話まで観た感想です)。旧作ファンだけではなく楽しめると思いますので、かなりお勧めです。 とまぁ、アニメの話は別に機会にとしまして、プラモの話をしたいと思います。 今回のプラモデルキットは、「フジミ模型 1/700 日本海軍戦艦 武蔵 レイテ沖海戦時」です。その商品名の通り、武蔵の最初で最後の戦いとなるレイテ沖海戦時の姿になります。 新造時は大和、武蔵とも三連装の副砲が四基ありましたが、戦訓から対空兵装の強化が叫ばれ、左右側面にあった副砲は撤去されて、高角砲(航空機攻撃用の速射砲)と対空機銃が増設され、さながらハリネズミのような状態になっています。 ただ、2隻とも同じように改造されたわけではなく、大和の方は高角砲が24門(連装砲塔12基)も装備されたのに対して、武蔵は12門(連装砲塔6基)と大和の半分しか装備されず、かわりに噴射砲(ロケット砲のこと)を載せるといった違いがあります。 ちなみに、高角砲は中距離攻撃用の対空兵器で、機関砲と噴射砲は近接攻撃用の対空兵器となります。 一口に対空兵装の強化と言っても、いろいろな試行錯誤があったことがうかがえます。 この中距離攻撃用高角砲の少なさが、大和と武蔵の運命を決めてしまったと言う説があります。 大和、武蔵、長門と戦艦が並んだ中で、高角砲からの攻撃の少なく取り付きやすい武蔵に、米軍機の攻撃が集中することになったとも言われています(ただし、米軍側の資料に、それを裏付ける証言があるわけではありませんが)。 さて、プラモの方の話をしたいと思います。定価2100円のキットにしてはと言うと失礼ですが(他の1/700キットだと、3000円前後ぐらいのものが多いです)、出来上がった姿はとても良いです(わたしの作りがうまいという意味ではありません)。シブヤン海で勇戦空しく沈んだ、武蔵の勇姿を想像することが出来ます。 ただ作るの少々大変というか、部品の位置がよくわからず苦労しました。 プラモデルを作っている方はよくわかると思いますが、例えば「A1」「B2」という感じでどこにどのパーツがあるかわかるようになっていますが、こちらのキット、1~100といった感じで数字が振られているだけで、しかも連番で配置されているわけではないため、分かり易い部分(例えば艦橋や煙突等)は一目瞭然ですが、細かい部品はどこにあるか中々わからず、探すのに一苦労でした。その点がマイナスでしたが、出来上がった姿はかなり良いです。 特に高角砲や対空機銃の数や配置など、姉妹艦の大和との違いも再現されているので、両者を比べるとかなり面白いと思います。 大和もまだ作ってありませんが、買ってあるので(大和の方はタミヤ製です)、いずれ、そちらも作って並べて比較したら面白いかなと思っています。 完成して写真を撮ったあと、失敗に気がついた点があります。 レイテ沖海戦時、武蔵だけ色が日本海軍色(暗めの灰色)ではなく、英海軍色(明るい灰色)に塗り替えられていました。 どうして武蔵だけ色が塗り替えられたのか、シンガポール南のリンガ泊地に錨泊中に、艦内の可燃物処分の一環として、積んであったペンキを処分するため塗り替えられとも、熱帯地海域用の英海軍色なら目立たないと考えて塗り替えたのではと言われていますが、現在でも理由はハッキリしていません。 なので、今回のプラモは、レイテ沖海戦出撃直前の、色を塗り替える前の武蔵の姿になります(ややこしいな)。
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