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カテゴリ:火山・地震情報の見方
平成27(2015)年も、はや1月過ぎました。時間の流れは速いなぁとつくづく思います。トシですかねぇ・・・。 それはさておき、1月の火山動向について簡単にまとめておこうかなと思います。
吾妻山(噴火警戒レベル2 火口周辺規制) 1月14日に193回もの火山性地震(その内、10~11時までの1時間が50回以上)、1月28日には2分50秒に及ぶ火山性微動が確認されましたが、今も噴火は起きていません。にらめっこ状態です。 火山というのは本当に厄介です。火山性地震が100回起きたら噴火するとか、そう言う分かりやすい決まりがあれば、監視する側も分かりやすいんですけどね。 現在吾妻山は、火山性地震も目に見えて減っていますが(最近は、1日10回以下です)、大穴火口から一切経山にかけての、わずかな山体膨張は今も変わりないため、小規模噴火の恐れは今も継続中です。 御嶽山(噴火警戒レベル3 入山規制) 1月に入ってから、火山性地震は目に見えて減っています。 確か私も先月ブログで、「このまま噴火せずに終息する可能性も高そう」と書きましたが、最近の気象庁の発表の文言を見ると、噴火は終息するかもしれないと考えはじめているようです。 ただ噴火は起きていませんが、噴気活動は続いており、まだ(先年の噴火より小さい規模の)小規模噴火の可能性はゼロではありません。 昨年9月の御嶽山ショックを深刻に受け止めていますから、気象庁が早期に噴火警戒レベルを下げる可能性は低いでしょうね。 桜島(噴火警戒レベル3 入山規制) 毎日のように爆発的な噴火が起きていますが、それは桜島の普段どおりの噴火でして、1月6日に気象庁が注意を促していた大きな噴石や火砕流を伴う噴火ですが、現時点まで発生していません。 山体の膨張は毎日の噴火にもかかわらず、桜島の山体膨張は全く解消されていませんから、依然大きな噴石や火砕流を伴う噴火が起きる可能性は高いままです。 うーん、これだけ毎日噴火しているんだから、チャージされたマグマが空っぽになってくれれば良いんですけどねぇ・・・。 その辺はぶれない桜島です。 阿蘇山(噴火警戒レベル2 火口周辺規制) さて阿蘇山ですが、1月13日に噴煙が1300メートル上がる位の小規模噴火が起きました。その後も極小さい噴火がぽつぽつ起き、噴煙が毎日のように上がっている感じです。 特に大きな変化はないのですが、1月30日に気象庁がちょっと、「あれっ?」と思うようなコメントを出したので、ビックリした方も大勢いらっしゃったと思います。 そのコメントというのは、「なお、火山性地震、孤立性微動の回数は、火山性微動の振幅が大きいため、計測できない状態になっています」というもので、捉えようによっては、「え? 火山性地震とか火山性微動が計数出来ない状態って何よ! もしかして大噴火の前兆?」というニュアンスにも聞こえてしまうものでした。 実を言うと、私もこういう発表を聞いたのは初めてでした。なのでこれを見たときは凄く困惑しました。 私が今まで読んだ火山関係の本にも、こういう話はのっておらず、参考になりそうなものもありませんでした。 そこで気象庁の発表を隅々まで何遍も読み返し、また気象庁HPにある「阿蘇山の火山活動解説資料」(先月分はまだアップされていないので、昨年12月の資料でしたが)に目を通してみて、ようやく自分なりの結論が出ました(この考え自体はすぐに出たのですが、何せ初めてのケースだったので、自分の乏しい知識補かき集めて、納得できるようになるまで4日かかりました・汗)。 気象庁の発表ですが、これは文言どおり解釈しちゃって大丈夫だと思います。 つまり、火山性微動の振幅が大きすぎて、地震や孤立性微動の震動が埋もれてしまって、記録できないと言うことです。 そして他の発表内容を見てみると、GNSS連続観測結果の文言には変化は無く、傾斜計の情報なども触れられていませんから、火山性地震や孤立性微動の計数を確認できない以外は、全く変化がない状態と言うことなのだと思います。 つまり、大規模な噴火が起きる兆候は、依然確認されていないと言うことです。 ただ、火山性微動の振幅が大きいというのは、火山内部のマグマや地下水の動きが活発な証拠だと思われますから、噴火活動は終わる兆しはまだ見えていません。 私の感触としては、大きくて昨年11月25日と今年1月13日レベルの噴火活動が、当面継続するのではと考えています。 桜島のようにとはならないでしょうが、半年、1年と言った噴火活動を想定した方が良さそうです。 はぁ、阿蘇山、当分登れないなぁ・・・。 今回はこんな感じです。 それではまた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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