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カテゴリ:火山・地震情報の見方
1週間前のトンガ噴火、そして今日は大分の震度5強の地震に、東京はとうとうコロナ患者1万人越えと、何から話をすれば良いかという感じですね。 個人的には今日、セカンド・カー「マディフォックスCXG」の定期点検入りや今週もよくない状態が続く母鳥の話など、今週も激動の1週間でございました・・・。 トンガの海底火山ですが、フンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山の大きな噴火はあの後発生していませんが、海面の変色が300km以上にわたって起きていることが確認されています。 これは、噴火時に発生した大量の火山噴出物(火山灰、軽石等)が広がっていることが原因です。また現在も広がり続けているということは、それらの放出が続いているためと考えられます。つまり噴火活動は継続中のようですね。 現地の状態は依然不明な点が大きいですが(これも物理的に海底ケーブルが損傷していることが確認されました)、その数少ない情報の中、トンガ国民(約10万人)の8割以上が被害を被っているという話も飛び込んでいます。 現地の情勢ははやり深刻ですね。 一方明るいニュースとしては、救援物資が徐々に到着し始めているようです。 ニュージーランド海軍が派遣した艦2席が昨日(21日)に無事に現地入りしました。また日本の航空自衛隊輸送機2機も無事トンガに到着し、約3tの救援物資(特に現地で不足している飲料水)の引き渡しが完了したというニュースも伝わってきています。 前回のブログを書いた時点では、火山灰と軽石のために飛行場が使用不能となっていましたが(その時点で、住民が滑走路で火山灰や軽石などの除去作業をしている様子は確認されていました)、飛行場が使えるようになったことはやはり大きいですね。 これから救援物資が安定して到着していくことを期待したいと思います。 さて今回のトンガの噴火で、「1000年に一度」というフレーズが、CNNや産経新聞などのメディアにチラチラ出ています。 このうちCNNの記事の方は、「フンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山にとって1000年に一度の規模の噴火」と言うニュアンスで書かれたもので、扇情的な見出しに反して内容自体は、あまり変なものではありませんでした。 わかりやすく富士山に例えれば、宝永噴火(1707年)規模の噴火が起きた場合、恐らく新聞などの見出しは「300年に一度の規模の噴火」と形容されるでしょうし、貞観噴火(864年)規模の噴火が発生すれば、「1000年に一度の噴火」と表現されることでしょう。その程度の意味の「1000年に一度」でした。 しかし産経新聞に載った方は、「(地球規模の)1000年に一度」の大災害というニュアンスが強い内容でした。 情報の出所は、当たった事の無い煽り記事で普段から日刊紙や週刊誌を賑わわせている立命館の高橋教授の論説を前面に出しているものです。 相変わらず論文は書かないのに、煽り記事のネタ提供だけはお盛んな御仁です。 こんなネタとしか思えないような論説が、娯楽性の強い日刊紙や週刊誌から、とうとう全国紙まで進出するとは・・・(ため息)。 メディアの災害に対する知識レベルの低さに暗澹たる気分になりました(私の中で、産経新聞の株が大暴落中です)。 さて大分の地震ですが、震源の深さは約45km、マグニチュードは6.4と中規模地震レベルのものでしたが、震度5強とかなり揺れましたね。 あと西日本全域に隣の韓国の方でも揺れが観測されたようで、かなり広範囲に影響が出ました。 トンガの噴火から1週間と言うタイミングもあり、ネットでは「トンガ噴火の影響」とか、はたまた「南海トラフの前兆」と言った不安が出ているようです(例によって煽っているのは、上で触れた高橋教授だったりします)。実際、今回の地震が起きた地点を見ると、南海トラフの想定域内でもありますしね。 しかし今回の地震は南海トラフのメカニズムであるプレート境界付近で起きた地震では無く、プレートより深い位置で発生していますので、南海トラフの前兆と判断できる要素はなさそうです。 つまりプレート境界が圧力に耐えられなくなって崩れ始めている兆候は、現時点ではないのです。 地震が前兆かどうかを判断するには、「地点」だけで無く深さ、立体的な視点での検証が必要といえるのです。 まぁ、前述の教授は、過去の発言、その言葉通りに災害が起きているかを付き合わせて調べていただければよく分かりますが(一部、私もブログで取り上げていますが)、地震や火山噴火の予測を当てたことは一度もありません。逆に彼の発言を載せた週刊誌が、謝罪に追い込まれたケースもあります(まぁ、謝罪といっても、「一研究者の見解を載せただけ」という責任転嫁で、小学生の反省文以下の代物でしたが)。 活断層やプレートの知識も持ち合わせていない方なので(専門は「災害リスクマネージメント」だそうですが、今まで日刊紙や週刊誌の記事を拝見する限り、ご自身の発言に関するリスクマネージメントは出来ていない方のようです)、不安に駆られずに聞き流していた方が良いと思います。 これも普段ブログで書いていることですが、大きめな地震が起きた後は、大きな余震が起きるのが常です。 今回も同程度の地震が起きると思って、心構えを作っていて損は無いでしょう。 またこれもくどいほどブログで書いていますが、南海トラフが明日来るか、それとも100年後に来るかはまったく分かりません。今の科学では、予測することが出来ないのです。 ですので煽り記事に一喜一憂するのでは無く、普段から、減災に自分が出来ること、家族の安全はどうやったら出来るかという点を、よく考え準備をして減災意識を高めていく。これに勝る防災対策はありません。 災害は忘れた頃にやってきます。日頃から対策を考えていきましょう。 それではまた。
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