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カテゴリ:火山・地震情報の見方
さて、今年になってから唐突に定例化させてしまった感のある火山の活動動向を、今回もご説明をしたいと思います。
昨年12月16日に噴火警戒レベル2に引き上げられた十勝岳ですが、2月24日に噴火警戒レベル1に引き下げられました。 結局心配された噴火は起きることなく終わりました。 十勝岳が何故レベル上昇になったかについては、前にブログでご紹介いたしましたのでここでは触れませんが、 今回の噴火警戒レベルの変更は、レベルの上昇した12月後半以降、逆に活動が低下して、平常レベルに戻ったという感じのようです。 なんか、十勝岳にからかわれたような感じですねぇ。 しかしここ数年火映現象が目撃されていますし、傾斜計で確認された若干の山体膨張が、解消されたわけではありませんので、数年以内に再び警戒レベル上昇や、小規模噴火が起きる可能性は十分ありますが、今は一安心していいようです。 本当に火山の噴火予測というのは難しいなと、今回のことでもよく分かります。
吾妻山(噴火警戒レベル2、火口周辺規制) 1月14日に193回もの火山性地震がおき、1月28日と2月14日には火山性微動が観測されました。 また2月5日と7日には、大穴火口付近から噴気が出ていることも確認されましたが、噴火には至りませんでした。 最近は火山性地震も1日数回程度、火山性微動は起きない落ち着いた状態です。 このままの状態が続けば、十勝岳同様噴火警戒レベル2の解除という可能性もありそうですが、ただ吾妻山は十勝岳とは異なり、少ないながらも火山性地震や噴気活動は観測されていますので、気象庁は当分は慎重な態度のままかなと思います。
昨年6月に噴火警戒レベル2に上昇しましたが、その後目立った変化がないままでしたが、久々状況に変化がありました。 2月23日に69回の火山性地震が観測されました(前日の火山性地震の回数はゼロです)。レベル上昇以来、10回以上の火山性地震が起きたことがなかったため、すぐさま気象庁が速報を出しました。 しかし、地震が多かったのはこの日と翌24日の13回の2日だけで、その後平常状態に戻りました。 GNSS観測データでは、湯釜火口付近のわずかながらの膨張傾向は変わらないままですので、小噴火の可能性は依然ある訳ですが、Xデーがいつになるかは全く分かりません。 噴火の予測というのは本当に難しいですね。
火山活動は順調に減少しています。昨年9月の噴火時は、二酸化硫黄の放出量は1500トン以上でしたが、現在は100トン前後まで減っています。 しかし噴煙は依然上がっていますので(色は白色なので、火口内の水蒸気が抜けている感じだと思います)、火山活動が無くなったわけではないので、入山規制解除はまだ先かな。
先月と状況は変わっていません。 24日に起きた爆発的噴火はやや大きかったようで、昭和火口上空3300メートルまで噴煙が上がっています。 火映現象も確認されており、今日も元気いっぱいです(汗)。 気象庁の懸念している大きな噴石や火砕流を伴う噴火の可能性は、いまだ継続中ですが、そう言う噴火が起きずに通常どおりの噴火がずっと継続していく可能性も高そうですね。
阿蘇山(噴火警戒レベル2 火口周辺規制) こちらも変化はありません。 火山性微動が大きすぎて、火山性地震の回数などは計数出来ないままです。1000メートルぐらいの噴煙を上げる噴火もぽつぽつ継続中です。 2月27日の気象庁の発表には「わずかに火山灰を含む有色噴煙を確認しました」とあります。 「有色」とあるだけで、何色かは書いていませんが、水蒸気(白色)や火山灰(火山灰はマグマの破片です。色は灰色です)以外に、二酸化硫黄(二酸化硫黄自体は無色なのですが、大気中の水分と結合すると青色っぽく見えます)の放出、火口の拡張(岩盤が壊れた場合、色は黒色になります)が起きているのかなと思います。 もし二酸化硫黄の放出だった場合、火口上部にマグマが上昇している可能性があります。 こう書くと「もしかして大噴火の兆候?」と心配される方もいらっしゃるかも知れませんが、その可能性は低いと思っています。 上がってきたマグマが順調に放出されているなら、中の圧力が減っているだけになりますから、小規模な噴火がぽつぽつ起きながら、いずれは噴火回数も減少して、火山活動が小さくなっていくことになるかなと考えています。 まぁ、いまの阿蘇山の噴火の感じからすると、半年、1年は小噴火が続く感じがしますので、当分は落ち着かないなと思っています。
2月24日時点、海上保安庁が発表によると、東京ドーム52個分に当たる約2.46平方キロに拡大しているようです。このまま成長していけば、東京ドームという形容では追いつきませんね(というか、「東京ドーム○個分」の大きさと言われてもあんまりなじみがないので、想像静しづらい人も多いでしょうね。私もですが・苦笑)。「世田谷区の半分」といった表現に、いずれ変わりそうですね。 凄いですねぇ。リアルで島が大きくなっていくところを見たいですが、さすがに小笠原は遠すぎるな。 今回はこんな感じです。 それではまた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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