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カテゴリ:旅行・史跡など
雨がひどかったのでカメラはリュックの中にしまったため、ここから先は写真はありません。 あと雨は降りているウチに小雨になってきましたが、足を怪我してしまったこともあって、復路は写真を撮る余裕がなくなってしまったのです(汗)。将軍平へ下る登山道は、結構人が一杯でした。私のように下山する者もいれば、大急ぎで山頂を目指す登りの登山者もいます。元から狭い登山道は交互に道を譲り合いながら進みました。 山頂付近は木々もありますが、登山道の脇にしかないので、登山道は雨を遮るものがありません。雨具を来ていなければ文字通りずぶぬれになります。 ↑行きの写真ですがこんな感じのところを降ります。 雨で滑る巨石の道を、雨風を受けながらの下山は、想像以上に神経を使います。巨石の幅は階段とは異なり幅が一定ではありません。大きいところでは50センチを超す高さがあります。登るときより降りるときの方が遙かに怖いです。 私の前を親子5人組のパーティーが降りていまして、私は彼らを急かさないように注意しながらあとをついて行きました。 15分ぐらいたった頃でしょうか。その場所は丁度60センチぐらいの段差がありました。しかも岩が斜めになっていまして、下手に着地すると、雨で濡れた表面でつるっと滑って大けがをする可能性がありそうでした。 私は右手の登山杖を下に付きつつ、慎重に左足を降ろしていきました。 その瞬間、軸にしていた右足がガクッと滑りました。着地地点ばかりに気をとられていましたが、右足の方もやや斜めの岩で、雨で滑りやすくなっていたいたのです。 上半身が前に大きくぶれました。 まずい、前方には親子ずれのお母さんがいます。このままの勢いで転倒したら、私が大けがするだけでなく、前のお母さんを突き飛ばしてしまいます。そうなったらその先にいるお子さんも含めて、私以上の大げかを相手らに負わせることになってしまいます。それはなんとしても防がなければ。鳥類の意地です。 私は反射的に体を右側に捻りました。そして目の前にある岩(2歩前に足場にしていたところ)に両手でガシッと強引に捕まりました(この時は気が付きませんでしたが、あとで見たら左手の小指の根本付近に幅4ミリ、縦3ミリぐらいの小さな「穴」が開いてました・苦笑)。 これで上半身は何とか固定しましたが、下半身の方の制御は間に合わず、左足先端に鈍痛が走りました。思わず「いってぇ・・・」と声が出ました。 「大丈夫ですか、鳥さん」 周りの登山者の人たちから声がかかりましたが、この瞬間に答える余裕はありませんでした。 私は痛みをこらえながら、体の「損傷箇所」の確認をしました。 この時点で痛みがひどいのは、左足の親指あたり、そして左のふくらはぎ、右足の太もも裏でした。 ふくらはぎと太ももの裏は、体を固定する際に踏ん張ったため、ピンと突っ張った痛みのようでしたが、もしかしたらアキレス腱や靱帯、骨などにもダメージがあるかもしれません。慎重に足を動かして大丈夫かをチェックしました。 どうやらダメージはなさそうでした。次の靴内の足の指を動かしてみました。左の親指に鈍い痛みがありますが、他の指と右足は大丈夫そうでした。左足の痛みは、たぶん爪にヒビが入っちゃったためかなと推測しました(この時点では確認しようがありません)。 「お騒がせいしてすいません。どうも左親指の爪をやっちゃいましたね。それ以外は大丈夫そうです」 そう答えると、周りの登山者の方々は少し安心したようで、「鳥さん、気をつけて下山してね」と足場の悪い岩場をあがっていきました。 私は少しストレッチするために端によって、後続の下山組に先に降りてもらいました。一休みして、ストレッチしてからでないとはおりられません。 ストレッチをしながら、さっきの見立ての間違いがないかを慎重に確認しました。この時また雨と風が強くなってきました。今いる場所は不安定な岩場でしたから、この場で休み続けるのは危ないですし、後続の下山組の邪魔です。がんばって将軍平まで降りることにしました。 少し時間はかかりましたが、無事に将軍平の蓼科山荘まで降りることが出来ました(鎖場も大きな障害にならず淡々と降りられました)。このころ雨は強くなったり弱くなったりを繰り返していて不安定でした。 山小屋には、登山を断念しようかと話し合っている家族ずれなど何人もいました。疲れ切った顔をした4歳ぐらいの男の子と女の子もいました。私も普段なら、「ここまで登ってきてすごいね!」などと声をかけていたと思いますが、今は余裕が無く、逆に女の子から「この鳥顔色悪いなぁ」という心配そうな顔をされました(苦笑)。 つくづく怪我が身に応えます。 蓼科山荘で一休みをしたあと、早々に七合目登山口まで下山しました。 今の状況では手当のしようもありませんし、救助を依頼するような大けがでありませんから、とにかく登山口まで自力で降りるしかありません。 幸い、蓼科山で一番難易度が高いのは、将軍平から山頂までの区間なので、ここから下はさほど厳しいところはありません。転倒したりして怪我を大きくしないよう気をつけながら、ゆっくり下山しました。 そしてトラブルもなく、13時30分頃、ゴンドラ山頂駅付近、「幸せの鐘」のところまで戻ってきました。 予定では、ゴンドラには乗らず朝登った斜面を歩いて下山する予定でしたが、さすがにこれ以上足に負担をかけたくなかったので(この時点までまだ怪我の内容を確認していません)、素直のゴンドラに乗って蓼科牧場まで戻りました。 麓まで戻ると、目の前にある池の平白樺高原ホテルに行きました。ここは日帰り温泉をやっています。足の怪我の具合によっては温泉は断念せざるを得ませんが、ともかく靴を脱いで足の確認や手当が出来る場所はここしかないなと思ったのです。 脱衣所で足を確認したところ、親指が見事に真っ青。爪全部が内出血してまして、少し戦慄しました(汗)。 ただし痛みやひどい出血はなく、2年前の妙高山での野宿時のようになっていないのは一安心でした。雑菌などが入らないようビニールをかぶせて固定して、軽く温泉で汗を流し(左足をあげて湯につからないようにしながら湯船に入っている鳥を見かけたという人がいましたら、それは私です)、足を消毒して絆創膏で覆うと、温泉を出ました。 ・・・怪我してなかったら、もっともっと堪能できたのですけどね(涙)。 痛みはありませんがやはり無理は禁物ですから、少し離れたところにある考えていたお店に昼ご飯を食べに行くことは断念して、ホテルで食事とお土産購入をすませ、帰りのバスを待つ味気ない時間を過ごしました。 そして前にお話ししましたように、高速の渋滞で2時間半ほど帰りが遅く鳴りつつ、無事に家までたどり着きました。 足の具合が最高に悪くなったのは1日おいた19日火曜日でした。かなり腫れが出たようで(自分では自覚ありません)、靴を履くのも一苦労でした(仕事を休まずなかった自分は、まじめというかなんてアホなんだろと思いました)。 しかし、仕事帰りによった病院の手当おかげで、翌日以降痛みは順調に減りまして、1週間ぐらいで普通に歩くことは出来るまでに回復しました(走るのは今も無理・汗)。 こうして今回の蓼科山登山は終わりました。 今回、雨の中の登山、特に下りは非常に難易度が高くなることが改めて分かりました(汗)。 「雨が降ったら登山は無理せず引き上げよう」と心に決めつつ登ったのですが、まさか山頂に着いたとたん降り始めるとは・・・。最後まで撤退のタイミングを掴めなかったのは痛い経験でした(汗)。 やっぱり登山は難しいですね。でもだからこそおもしろいです。 あと次回の登山の際は、怪我をしないよう気をつけたいと思います(汗)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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