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カテゴリ:火山・地震情報の見方
昨日10月7日21時52分の小規模噴火に続き、本日10月8日1時46分に36年ぶりとなる爆発的な噴火が起きました。噴火にともない、阿蘇山は噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から、3(入山規制)に上昇しました。これにより火口から2kmの範囲への立ち入りが出来なくなりました。 噴火が矢継ぎ早ですね・・・。ブログで9月の状況で、「大きな噴火の恐れはなさそう」などと書いた翌日の事なので、すごく間が悪いなぁと言うのは個人的な愚痴です(苦笑)。言い訳すると、9月の阿蘇山のデータは、不安定ながら火山性微動も孤立性微動も大きな急変はなく、火山性ガスの放出が若干多いな程度の変化しかなかったんですよね。 噴火に至る経緯を、気象庁が急遽発表した資料(現時点では、昨日7日の噴火のデータまでです)を見ながら書いてみたいと思います。 阿蘇山の様子が少し変わったのは、10月2日あたりからで、そのあたりから火山性地震の発生が多きなってきたようです。そして、4日頃からは、火山性微動の震幅が大きくなりはじめたようです。 昨日7日におこなわれて現地調査では、火山性ガスの放出量が1万5千トン検出され、また火山性微動が10時頃からさらに強くなり始めたのをみて、気象庁ではやや警戒感を強めていたようです。 昨日の発表で、「地殻変動観測では、草千里を挟む基線で、2016年7月頃からわずかな伸びの傾向が認められており、深部のマグマだまりの膨張あるいは平成28年熊本地震の影響の可能性が考えられます」と言う文言が新たに加わりましたが、そういった現地調査の状況の変化と併せて、先月までは判断保留にしていた地殻変化の伸びを(今年は6月から9月まで雨が多くて、そのためGNSS連続観測のデータに乱れが出ていました。ちなみにGPSで地殻変動をとらえて、地震を観測できるという主張をしているサービスがテレビや週刊誌で取り上げられていますが、GPSは雨や雪、さらに周辺木々の成長の影響で簡単にデータ変動が起きるので、国土地理院がデータを補正しています。地震予測が出来ると考えている方々は、なぜか国土地理院が補正する前の誤差の多い生データを使用して、地震を予測しているので(補正前のデータはノイズが出てあたかも地殻変動が起きているように錯覚するので、地震の兆候に見えやすいのでしょう。週刊誌などで書かれている数値はみんな補正前のデータなので、「7センチ動いた」と言うような、実際にはあり得ない数字ばかり出てきます)実際には地震の兆候をとらえていないと私は考えています)、マグマによるものかもと、判断したのかもしれません。 さて本日未明に発生した爆発的な噴火ですが、噴煙が1万1千メートルまで上がる規模だったようです。この噴火により震度2程度の揺れも南阿蘇村で観測されています。 噴石が飛来した範囲は火口から1km位の範囲に留まっているようですが、降灰はかなり広範囲になっています。気象庁の予想では、大分県から瀬戸内海周辺を中心に、淡路島付近まで降灰が広がる恐れがあると見られています。現地の皆様は外出される際、マスクやハンカチは忘れないようご注意ください。また目に痛みや異常を感じた際は、速やかに目を洗浄(水で大丈夫です)してください。
8日の噴火の原因については、まだ気象庁の発表はありませんが、爆発的な噴火の形態をとっていることから推測すると、マグマの上昇、もしくはそれに伴う火口内温度の上昇により内圧が一気に高まり、一気に噴出したと見られます。水蒸気爆発かマグマ水蒸気爆発の可能性が高いかなと個人的に考えています。 皆様が心配されるようなカルデラ噴火は無いと見ていますが、本日と同程度の噴火が起きる可能性がありますので、現地の皆様は十分お気をつけてください。 続報がありましたらまたブログに書いていきたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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