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カテゴリ:火山・地震情報の見方
爆発的な噴火から3日経ちました。本日時点の阿蘇山の状況について、簡単に触れてみたいと思います(前回までのブログと重複する点が多々あると思います)。 8日の爆発的な噴火後、8日の13時頃から、火山性微動は小さくなり始めまして、それは11日も継続しています。孤立性微動も小さいようです。 活発なのは火山性地震ですが、これは噴火後、火口内部の噴火の際に壊れた地盤がぼろぼろ壊れている状態が続いているからだと思われます。 7日は約1万5千トンの放出が確認された火山性ガスも、11日は600トン程度と大きく活動が低下しています。 結論からすると、8日の爆発的な噴火で火口内の大きな圧力は解消されたので、現時点で8日の規模の噴火が起きる可能性は小さいと言うことになるかと思います。 ただしこれで活動が収まるかというと、残念ながらそれはなさそうです。4月の熊本地震で30センチの地盤が低下した草千里付近内部では、やや隆起傾向が確認されています。これはマグマが少しずつ上昇してきているためと思われます(ただし現時点での膨張は、2センチ程度で、通年の地殻変動の範囲に収まっています。なのでマグマがどんどんせり上がっているわけではありません)。 燃料のチャージがある以上、阿蘇山の噴火活動は今後も継続する感じです。 ただし今すぐに8日を上回る噴火が起こる可能性はなく、元気な時の桜島のような噴火がひっきりなしと言うこともなさそうです。忘れた頃にぽかぽか小噴火するという感じではないかなと思います。 さて今回の噴火形式ですが、8日朝にブログでは「水蒸気爆発かマグマ水蒸気爆発の可能性が高いかな」と書きましたが、今日の気象庁の発表を見ると、火山噴出物にマグマ成分が入っている事が確認されたため、マグマ水蒸気爆発という考えが濃くなってきているようです(ちなみに水蒸気爆発とマグマ水蒸気爆発の違いは、噴出物にマグマ成分が入っているか否かだけです。両者の違いはマグマの熱で気化した地下水が大爆発を起こすのが前者、マグマが岩盤上部に貫入して地下水などに触れ、その熱で気化した大爆発を引き起こすのが後者です)。 当面は小さな噴火が起きる程度で、大きな動きはなさそうです。 現地の皆様は、火山灰の処理などいろいろ大変かと思いますが、どうかお体にお気をつけください。 それではまた。
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Last updated
2016.10.12 08:13:36
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