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カテゴリ:火山・地震情報の見方
この記事をお書きになったのは、私のブログでもちらっと紹介したことのある巽好幸先生(神戸大学海洋底探査センター長)です。 ふだん、「地震や火山噴火予知を的中させた!」と称するいかがわしい先生方とは異なり、マグマ学の専門家でいらっしゃいます。 しかし、なんと言いますか、どちらかというと過激な言動をされる方なので、火山学に詳しくない方が聞くと、恐怖で卒倒しちゃうような話をされる方でもあります。 なので今回の記事を読んで、恐怖に駆られる方もいらっしゃるかと思いますので、少し解説というか、翻訳もどきを書いてみたいと思います。 記事の見出しなどがいかにもなのですが、まず巽先生は、「近いうちに阿蘇山がカルデラ噴火を引き起こす可能性がある」とは、一言も言っていませんので、安心していません。 「カルデラ噴火が起きたらこんな恐ろしいことになります」と言うことを、読み手にインパクトがあるように書いているだけです。私が5年前にブログで書いて、今も読んでくださる方が多い「もし阿蘇山が、9万年前の規模で噴火したら・・・」と同程度の内容です。 ・・・本職の先生と、素人の私の書いたものを比べるのは、僭越なんですけどね(汗)。 今回言いたいことはありますが、いつも煽り記事をボコるような感じではケチをつけられません(笑)。それをすると「鳥、おまえが昔書いたブログはどうなるんだ(怒)」になっちゃいますからねぇ(苦笑)。 なので本職の先生が書いていらっしゃいますが、私が書いた「もし阿蘇山が、9万年前の規模で噴火したら・・・」を拾い読みする位の感覚で、巽先生の記事を読んで頂くのが、一番ストレスが無くて良いかなと思います。 そしてここでは、巽先生が言いたいことは何なのかを、過激な部分を排除して簡単に通訳したいと思います。 先生がおっしゃっていることはおおむね2点に集約されます。 1点目は、「日本は火山の国です。住んでいる皆さんは、もっと火山に関心を持ってください」というメッセージです。 これは似たようなことをブログで書いている私が、共感できる点でもあります。 周囲を見ていると、やっぱり火山に対する認識は、地震や台風に比べてかなり低いと、私は感じています。 例えば、前に私の親戚から雑談で、「富士山が大噴火すると、日本列島はまっぷたつになっちゃうんだよね?」と言われて、頭を抱えたことがあります。これに近い問いは、親戚だけでなく他にもちらほらいらっしやいましたから、これぐらいの認識の方が多いのかなと思います。 ちなみにこの親戚への問いへの答えは、「富士山が全力で噴火したところで、日本列島はまっぷたつにはなりません。富士山の噴火の力は、阿蘇山などのカルデラ火山とは比較にならないほど小さいので、大丈夫です」と言うことになります。 もう少し付け加えるなら、富士山とカルデラ火山の力の違いを相撲で例えるなら、ただの幼稚園児の力士と現役の横綱の力を比較するようなものでしょうね。 火山大国の日本人として、こんな感じの知識しか持っていないのは不味い、もっと知ってと言う事です。 そして2点目、巽先生がもっとも訴えている点は(私が、巽先生が過去にお書きになった記事などを読んだ限りでは、これが一番の理由と言っていいように感じています・苦笑)、行政に対して「もっと予算をよこせ」、企業に対して「出資してくれ」というメッセージですかね。 巽先生の記事を注意深く読んでいると、たいてい遠回しに「予算が融通されない」「研究はまだ途上」というニュアンスのところが多々出てきます。 今回も、「日本の火山でマグマ溜まりを正確にとらえた例はない」「火山大国、技術立国としては情けないかぎり」と研究の不遇を訴えています。 これは読者に、「その通りだ。もっと予算を増やすべきだ」と声を上げてもらいたいんだなと、読んでいて感じます。 そう考えて見てみると、「間違ったことを言っている訳じゃないけど、なぜ災害が起きて、みんなが神経質になっているときに、過激な発言をメディアにするのか」と言う点が、なんとなく見えてくるように感じます。 まぁ、この辺の考え方は私と巽先生は真逆なんですね。私は「恐怖による学習は長続きしない」と考えているタチなので(一例として、東日本大震災の後など、防災グッズを買った方が多いと思いますが、今それをきちんと管理している方がでれ位います? 普段から食事の準備をするような感覚で、防災を考えている人でないと、この手のグッズをいくら買いあさったところで長続きはしないものです)、震災が起きたときは、不確かな情報は無視して、性格と思われる情報だけを元に冷静に考えたいと思うタイプです。なので大きな災害が起きているときに、私は絶対「もし阿蘇山が、9万年前の規模で噴火したら・・・」みたいなブログは書かないでしょう。 と、そんな感じで、私は巽先生の書いたものを読むたびに、無言で考え込んでしまいます。もちろん先生は間違ったことを言っているわけではないのですけどね・・・。 今回はそんな感じです。 それではまた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.10.24 22:54:58
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