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カテゴリ:火山・地震情報の見方
今年もあと2ヶ月少々、これ以上は災害もなく平穏になってほしいですが、どうなりますかねぇ。 2016年もいろいろな自然災害がありました。 大きな地震は熊本に鳥取、火山は阿蘇山の噴火、台風の被害も甚大でした。 こう書くと、「今年は災害の異常な年だった」と続けたくなりますが、実は災害自体は、毎年場所や規模こそ違いますが起きているので、別に今年が災厄の年だったわけではありません。 参考までに昨年2015年を見てみると、火山は口之永良部島での噴火がありました。この噴火も、今年の阿蘇山同様、噴煙を1万メートル以上とばすものでした。 また箱根山と浅間山もごく小さな噴火がありました。 地震は大きな被害は出ませんでしたが、5月30日に小笠原諸島西方沖で起きた深発地震(マグニチュード8.1、震源の深さは682kmで、観測史上もっとも深い場所で起きた地震の一つです)は、日本列島全域で震度1以上の揺れを観測する異常振域がおきました(隣の韓国でも揺れが観測されてようです)。 台風も9月に来襲した18号は、上陸した東海から関東・東北で大きな水害が起きました(「平成27年9月関東・東北豪雨」と甚大災害指定されました)。 比べてみれば、確かに今年は地震被害が目に付きますが、今年だけ災害が多いわけではないのです。 しかしえてして人間は、目の前のことだけで手一杯で目の前のことしか見えなくなってしまいます。直近で起きた災害を見て、「次の大災害の予兆かも」と、マイナス思考に陥ってしまうことがよくあります。 ・・・まぁ今年に関しては、熊本地震のトラウマという点が大きいかもしれません。4月14日の地震だけでも大きめなものだったのに、本命の地震が2日後に来るとは・・・、でしたからねぇ(ため息)。 このような災害が起きると、デマが多く拡散されます。今年の災害時に、私が知ったデマを簡単にあげてみたいと思います。後ろの()内は、それを聞いて私が感じた感想などです。
熊本地震 ・熊本の動物園でライオンが解き放たれ、町を闊歩している(東京にいる私からすれば、すぐに悪質なジョークと分かるものですが、現地の人にとっては安心できないですよね。私も被災地にいたら、デマだと思いつつ嫌な気分になったかも) ・熊本地震に誘発されて、阿蘇山がカルデラ噴火を引き起こす(小さい噴火は起こしましたね。でもカルデラ噴火はないな。あのぐらいの地震でカルデラ噴火が起きていたら、千年に一度ぐらいの割合で、カルデラ噴火がおきちゃうよと、思っていました) ・阿蘇山噴火に誘発されて鶴見岳・九重山が噴火した(気象庁のサイトを確認してすぐにデマだと確認しました。もし噴火していたとしても、阿蘇山の噴火は小規模でしたから、他の山を誘発させるようなものではありません。なので鶴見岳や九重山が噴火したとしても、地震や阿蘇山に誘発されたわけではないと思いました) ・猪牟田カルデラがドカンと来る(90万年前に活動をやめたカルデラ火山なんですけどねぇ(汗)。どっからこんなマイナーなカルデラ火山を引っ張り出してきた(汗)。と、違う意味で感心しました) ・5月22日に南海トラフ巨大地震が起きる(元ネタは、2062年から来た未来人なる方の予言だそうです。熊本地震も当てたと言うことで(実際には「4月15日に何かが起きる」という程度のもので、「熊本に地震が起きる」とは言っていなかったようですけどね)、かなり広まり、NHK等にも問い合わせが殺到して大変だったようです。私からすれば、いったいどの辺に信じられる要素があるのだろうかと、あ然呆然しました) ・中央構造線沿いに大地震が起きる(これは私も、もしかしたらと思っていました。慶長の時のように、近畿圏ぐらいまで地震が起きるかもと思いましたが、実際は熊本・阿蘇・大分の三連動地震で終了しましたね) ・関東でも大きな地震が起きる。茨城で地震が多発しているのは、熊本の地震に誘発されたものだ(茨城あたりは活断層が集中していて「地震の巣」と言われています。熊本の地震があろうが無かろうが関係なしに、毎年大きめな地震が起きていますが、何か?)
阿蘇山36年ぶりの規模の噴火 ・阿蘇山がカルデラ噴火を起こす(阿蘇山大人気だなぁといつも思います。データを見る限りでは、マグマの急激な上昇はないので大丈夫でしょ) ・南海トラフ地震が起きる(阿蘇山噴火と南海トラフ地震の起きる仕組みは、全く別物なので大丈夫でしょと思っていました)
鳥取地震 ・熊本地震に触発されて起きた(関係ありません。鳥取は昨年から群発地震が起きていましたのでその延長線上の地震でしょう) ・中央構造線沿いに大地震が起きる兆候だ(鳥取は中央構造線からはずれた場所にあります。なので関係なし) ・南海トラフ地震が起きる(いつかはおきます。ただし今回の鳥取地震が、南海トラフ地震の呼び水になる可能性はただの憶測に過ぎません) です。 凝ったものでは、先日「めろん」さんがコメントで教えてくださったもので、過去 863年 越中・越後地震 869年 陸奥沖海溝地震 869年 肥後(熊本)地震 880年 出雲地震 887年 南海トラフ地震
となっており、今回も
2007年 中越沖地震 2011年 東日本大震災 2016年 熊本地震 2016年 鳥取地震
となっているので、この後、南海トラフにつながるのではと言う話もツイッターにあったようです。 しかしこれ、自説に都合の良い地震だけを並べて、結論ありきで煽っているもので、科学的な考察ではありません(例えば上のツイッターの話では、同期間中に起きた茨城や岩手、小笠原や静岡で起きたM6以上の地震が無視されています)。 もちろん、南海トラフ地震は必ずやってきますし、南海トラフ前に内陸地震が多くなると言う仮説は唱えられています。
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