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2016.10.26
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友人と談笑中 
 
以上が私がネットで知ったデマの数々ですが、これに週刊誌や日刊紙の煽り記事が加わると、もはや原典がどれかも分からないトンデモ話になっていきます。
 
ひとつひとつを冷静に考えてみれば、信じるに足りないようなデマです。
しかし簡単に騙されちゃう人が出てきてしまうのは、災害などで不安な時に、そういう情報にたどり着くと、パニックに陥って鵜呑みにしてしまうんでしょうね。
さらに読み手に地震や火山の知識が疎かったりすると、デマは完全に自分の中で「これから起きる事実」として認識してしまう事になるのでしょう。
 
そこで私が実践しているデマに騙されない方法を、簡単にあげてみたいと思います。これは難しいことではありません。
 
・情報の裏取りをする
・気象庁など、信頼できる情報元を確認する
 
の2点だけです。これだけで地震学や火山学の知識が無くても、デマの大半は気づいて無視できます。

情報の裏取りはとても重要です。
デマの大半は、週刊誌や日刊紙、ネットの情報を元に煽ったり、恐怖に駆られて拡散している方が多いのではないかと思います。
そこであげられたデマの多くは、「こういう可能性もあるかも」という話をひたすら積み重ねているだけで、一見するともっともらしく見えるのですが、その実態は、自分に都合の良い話だけを切り貼りしたフランケンシュタインなのです。
それらも「可能性の一つ」と言えば聞こえは良いですが、疑心暗鬼の産物に過ぎません。とても信じるに値しないもです。

あとタチが悪い話ですが、デマを発信している中に、まれに地学系の学者が紛れていることもあります。
その場合、発言者の過去の発言を見ていく事をお勧めします。そうすると、たいてい論文も書かずに、トンデモ理論を週刊誌や日刊紙に垂れ流して、「営業活動」に余念の無いという方によく行き当たります
(私の心のブラックリストには、すでに数人の学者さんが登録済みです)
一例を挙げますと、今年の熊本地震をきっけかに、阿蘇山のカルデラ噴火と南海トラフ地震が起きる可能性と声高に主張している某大学の某先生は、昨年は、箱根山の噴火に連動して富士山が大噴火を起こすと、盛んに主張していました。
しかし今年は、箱根山の「は」の字もありません。不思議な話です。
これを「大学の先生が言っていることだから」と信じてしまうと、足をすくわれることになります。
話が長くなりましたが、情報の裏取りをここまで出来れば完璧です。
たとえ大学の先生の発言でも、「あ、この先生の意見はとんでもない。無視して大丈夫だ」となるでしょう。

次に気象庁の情報ですが、速報がマスメディアやネットに後れをとる場合もありますが、情報の公平性と正確性では、他の追従を許しません。
まれに「気象庁は情報を隠蔽しているに違いない」と陰謀論を持ち出す人もいますが(週刊誌や日刊紙で「地震を予測した」という風に主張している自称研究者さんたちは、たいていこの陰謀論に便乗して「既存の研究機関は、予算を消化するだけの利権集団」とたたみ掛けます)、隠蔽されているはずの情報を、どうしてそうだと見抜いたのか、では隠された真相は何なのかと突き詰めていくと、結局偏見や憶測で言っているだけで、実は何も分かっていないと言う事が多々あります。
そんな人たちの主張と、気象庁の情報、どちらを信じるに足るか一目瞭然です。
 
あとやっぱり、デマに騙されないよう地震学や火山学の知識を少しでも身につけておくというのも、もちろん重要な点です。
知識があり、それを元にして情報を分析出来れば、デマに惑わされることはないでしょう。
昨年、箱根山(あまり意識している人はいませんが、首都圏に一番近いところにあるカルデラ火山です)が騒ぎになった時も、ネットや週刊誌などで「箱根山大噴火で首都圏壊滅!」などという刺激的な見出しが踊っていましたが、私は気にしたことはありません。現時点で箱根山がカルデラ噴火を起こす兆候など、一つも観測されていませんでしたから。
 
またデマという話からはずれますが、週刊誌や日刊紙の煽り記事について、今回も一言書いてみたいと思います。
「阿蘇山がカルデラ噴火を引き起こす!」と言った感じの、衝撃的な見出しで始まる記事が多いですが、たいていそういう記事の終わりには、「実際に災害が起きるか分からないが、用心にこしたことはない」といった文言で終わっているものが多いでしょう。
そういう文言を見つけたら、その記事のことは忘れましょう。なぜならデタラメだからです。
あの台詞をストレートに言えば、「記事では「起きる起きる」と予測できたかのように書いたけど、実はそんなものありません。だから災害が起きなくても書いた側の責任なんてありません」と公言しているようなものです。

なぜなら、カルデラ噴火にせよ、南海トラフ地震にせよ、本当に予測できて危険が迫っているなら、「一刻も早く対策を講じないと」とか、「皆さん、一刻も早く逃げてください!」となるでしょう。
しかしそういう記事を書いた出版社なり記者が、国や行政に働きかけをしている話は聞いたことがありません。
週プレなどは、今年、昨年、一昨年と、「九州壊滅カウントダウン」とか、そんな見出しの記事を書いているのにね。無責任な話です。
結局、記事を書いている人間は、災害が起きるなんて全然思っていないんですよ。ただ記事が売れればいいだけの煽りなのです。だからはずれた時に責められても言い逃れできるよう、言い逃れ台詞を必ず付けているのです。
なのでたまたま当たった(ように見える)災害が起こった時は、「本誌が再三予測した通り」と狂喜乱舞した続報を書きますが、はずれた時は、しれっと無かったことになります。
一昨年御嶽山が噴火した時、「御嶽山噴火で富士山が大噴火する!」なんてものをいくつか見かけましたが、今それに続報を書く記者も記事も、一つもないのがいい証拠です。
これも震災を食い物にした商法だと思うのですけどねぇ。メディアの方々はどう思っているのでしょうね。
そんな程度の内容ですから、踊らされる方が馬鹿を見てしまいます。
 
災害が起きた時は、誰でもナーバスになります。明るいニュースより、暗いニュースの方が気になってしまうと思います。
自分自身の命だけでなく、家族のことも考えればそれは無理ありません。
偉そうに書いていますが、私もカルデラ噴火や南海トラフは怖いですし、災害時は実家の親鳥たちが心配です(自分の命については開き直ってますけどね・苦笑)
しかしだからこそ、デマをちゃんと見抜いて賢くなっていかないといけないです。そしてデマを流して煽っている連中を笑ってやりましょう。
怖がるのは正しい知識で正しく怖がりましょう。明日来るか100年後に来るかの災害におびえて過ごすのでは、地震が来る前に心身を病んでしまいます。それこそ人生の浪費であり無駄遣いです。
 
これからも災害時のデマは無くならないでしょう。しかし読み手が賢くなって、デマをはねつければ、騙されることはありません。みんなでがんばっていきましょう。
 
それではまた。





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Last updated  2016.11.08 23:29:41
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