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カテゴリ:火山・地震情報の見方
まさか月2回も、煽り記事をボコる事になるとはねぇ・・・。 最近、毒舌鳥となりつつあるなぁと思う今日このごろです。 首都圏を震源とする地震が今年は70回以上! 在住者が知っておくべき災害時情報とは 週プレNEWS / 2016年12月8日 6時0分 http://news.infoseek.co.jp/article/shupure_76384/千葉、茨城、埼玉、そして東京。今年、首都圏でも特にこれらの地域を震源とする地震が70回以上も起こっていることをご存知だろうか? 災害史や災害予測を専門とする立命館大学の高橋学教授が語る。 「今後、『茨城、栃木、埼玉、東京の内陸部』と『東京湾』で、首都圏直下型の地震が起きる可能性があります。特に後者は津波も起こすため、とても厄介です」 実際、昨年、東京湾を震源とする地震は14回発生していて、最大震度は5弱。今年も9月に震度2の地震が記録されている。いつ東京湾を震源とする巨大地震が起きてもおかしくない状況なのだ。 では、実際に首都直下地震が起こるとどのような事態になるのか。災害・危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は次のように語る。 「首都直下地震では、津波は最大2m強と想定しています。なぜか、今の堤防の高さで防げるくらいまでしか来ないという想定です。しかし、地震で2mくらい地盤が沈下することがありえるし、そうなれば海岸沿いに津波は押し寄せてきます」 さらに、前出の高橋学教授も指摘する。 「地下街にある階段はおよそ30度の角度で、ここに10cmの水が流れ込むと、水の強い勢いで、女性やお年寄りは上れなくなり、30cmだと若者でも上れなくなります。もし、東京湾で地震が起きれば、3分以内には津波がやって来るでしょう。そして30cmの水が流れ込むと逃げ場がなくなり、溺れ死ぬことになります。地下街で働いている人は、大きな地震が起きたら、すぐ地上に出たほうがいいでしょう」 首都圏でも、やはり津波による被害には十分な対策が必要なのだ。 発売中の『週刊プレイボーイ』51号では、首都直下地震で起きる10大パニックを、専門家の意見をもとに完全シミュレーション。是非ご覧いただきたい。 (取材・文/村上隆保 取材協力/有賀 訓 熊谷あづさ) ■週刊プレイボーイ51号「首都直下地震で起きる10大パニック!」より 引用終わり。 では一言、いつもながら中身のない煽りクオリティ。どつかれさまでした! それでは記事の中身を見ていきたいと思います。 >千葉、茨城、埼玉、そして東京。今年、首都圏でも特にこれらの地域を震源とする地震が70回以上も起こっていることをご存知だろうか? 記事の地震件数が正しいかどうか、気象庁のデータベースで調べてみました。 表が小さくて見にくいですね(多汗)。 千葉、茨城、埼玉、東京に東京湾の地震を加えると、実際の地震件数は147件です。おいおい全然違うじゃねーか。初っ端からやってくれるぜ(苦笑)。 件数的に見ると、どうも震度1を省いているっぽいですね。震度1をのぞくと地震件数はほぼ記事の通りになります。しかし震度1も有感地震なのに、なぜ除外しているのか、その根拠が不明ですねぇ(汗)。 >「今後、『茨城、栃木、埼玉、東京の内陸部』と『東京湾』で、首都圏直下型の地震が起きる可能性があります。特に後者は津波も起こすため、とても厄介です」 ずっと以前から、関東平野の奥深くは活断層があることが指摘されており、直下型地震が起きる可能性についても言及されています。つまり今始まった話ではないのです。 東京湾を震源地とした直下型地震が発生した場合、必ず津波が起きるとは断定できません。地震の発生の仕方にも左右されるからです。「特に後者は津波も起こす」という言い方は、正直かなり言いすぎです。 もちろん、津波について考えることは重要なことだと思っていますけどね。 >実際、昨年、東京湾を震源とする地震は14回発生していて、最大震度は5弱。今年も9月に震度2の地震が記録されている。いつ東京湾を震源とする巨大地震が起きてもおかしくない状況なのだ。 なるほど昨年、東京湾で14回の地震、最大震度5弱のものも起きた。今年も震度2(「おいおい。なんだこのこじつけ感満載な文章は・・・(ため息)」と言いたくなりました)の地震が起きた。それは分かりました。 しかしそれがなんで「いつ東京湾を震源とする巨大地震が起きてもおかしくない状況なのだ」に繋がるのか、私にはさっぱり分かりません。 これぐらいの規模の地震に回数は、それこそ例年の話です。 巨大地震(個人的には「巨大」とか「超」等、根拠もなく大げさな形容を多用するのは、失笑しか出ないですけどね)というのも、可能性として起きえるかもという程度の話なのに、それに上乗せしてどんどん「可能性としてありえる」と言う程度の話を積み上げても、科学的な考察にはなりません。それは妄想というのです。 結局ね、大きな地震が起きる根拠なんて一つもないんです。ただ煽っているだけなのです。 あと記事では津波の話が書かれていますので、簡単に私の意見を書いてみたいと思います。 東京の堤防が、海からの津波に対して力不足な点は否めません。東京の堤防は基本河川の氾濫を押さえるためのものだからです。 東京も海からの津波に警戒すべきと意見には賛同しますが、実際問題として、今のところ東京で起きた津波被害は、江戸時代の元禄地震(1703年)の時に、津波が今の隅田川を遡上して、両国あたりで死者が出たという記録があるのみのようです(津波の高さは約1.5m位と推定されています)。それ以外は記録が無くデータ不足です。 津波が襲ってくる可能性を無視することは危険と思いますが、東京の場合、海からの水害よりも、上流の利根川や荒川の決壊による水害の方がより大きな危険のように思えるんですけどねぇ。 あと東京の地盤、特に海沿いの埋め立て地では、液状化の恐れは強くあります。東日本大震災では、埋め立て地の千葉県浦安市(東京の東隣。東京ディズニーランドがあることで有名ですね)では、深刻な液状化がおきました。東京23区東部、埋め立て地エリアでも、液状化が起きる可能性はあります。 東京沿岸部の高層マンションなどは、耐震設計がしっかりしているところが多く、直下型の大地震にも耐えられるところも多いと思いますが、道路やライフラインの寸断により、陸の孤島の中で孤立するという事態もあるかもしれません。 こうしてみると、東京は津波に対する検討も必要ですが、それ以上に考えることが多いといえる気がします。
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