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2018.03.08
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​​​3月1日に始まった霧島山・新燃岳の噴火は、8日現在、依然継続中です。
​爆発的な噴火は、6日と7日だけで34回(速報値なので、後日変更になる場合があります)に及んでいます。​
​噴煙の高さは、3千メートルぐらいまで上がったようです。噴煙の高さという点で見ると、現時点では大きな噴火というより、小さめの噴火が継続して発生している感じです(参考までに、富士山の宝永噴火(1707年)の時は、噴煙の高さはおよそ2万メートルまで達し、16日間続いた噴火で、御殿場などは3メートル以上の焼け砂が積もりました)。​
強火でガツンではなく、中火でとろとろというと、わかりやすいでしょうか。
火山性微動はずっと継続しており、低周波地震も時折観測されています。両者の動きはマグマの動きを示していますので、依然マグマの活動が活発な状態が続いていることを示しています。
火山性地震も8日連続三桁代を記録中です。これはマグマの動きによって、新燃岳の火口内の破壊、火口の拡大が続いているのではないかと思われます。
ただし、現在新燃岳を観測している傾斜計には、大きな変化はなく、山体の崩壊といった危険性については、今のところなさそうです。
しかしGNSS連続観測のデータでは、新燃岳から大浪池、韓国岳、えびの高原にかけての地域で緩やかな隆起傾向が続いており、噴火した分のマグマが供給されているようです。
以上の点から、火山活動は当面継続し続けると思われます。当面は桜島同様の小さいぽかんぽかんが続く噴火になるとみていますが、2011年位の噴火、もしくはそれよりも少し大きめな噴火が、発生する可能性も怒りえるかもしれません。
いずれにしても、煽り記事で出てきそうな「カルデラ噴火の兆候!」と呼べる深刻な兆候は感じません。

さて確か今日の朝だったと思いますが、一部報道で、昨日3万トンを超す火山性ガスの放出量があったとのニュースが流れました。
現時点で気象庁が発表しているデータは6日までのものなので、本当かどうかわからないため、今はコメントは控えたいと思います(ちなみに、2月2日は90トン程度の放出量でしたが、噴火の発生した3月1日は5千500トン、2日は2千200トンと発表されています)。​
​ただ火山活動の活発な状況を鑑みると、1万トンを超す火山性ガスの急増があってもおかしくないて思いますから(ちなみに2016年10月の阿蘇山噴火の際は、噴火前に今までの約10倍の約1万5千トンの火山性ガスが放出されました)、今後も火山性ガスの動きは要注意ですね。

​現時点の新燃岳の状況は、こんな感じでしょうか。​

では最後に、気象庁の発表資料にある写真を見て、解説もどきをしてみたいと思います。​

上空からの写真のため、いまいちわかりにくいですが、溶岩が小山のようになっています。これが今回、溶岩ドームと報道されているものでしょう。​


こちらは3月2日に、上の写真とほぼ同じ角度と高度から撮影された写真です。
2枚の写真を比較してみると、上の写真は溶岩ドームが成長している様子が伺えます。
溶岩ドームのイメージは、ドロドロの飴が、二重三重に折り重なっているといえばわかりやすいでしょうか。
溶岩の噴出は続いており、一部報道では、東側火口縁を超える恐れを伝えています。もし溶岩ドームがこのまま成長し、火口縁を超えた大きさで崩落した場合、火砕流が発生する可能性が非常に高そうです。
​ですがこの地域にはもともと人家もありませんから、人的被害が出る可能性はないと思われます(危険地域に勝手に這いこんだ人がいた場合は、その限りではありません)。火砕流が発生したという報道があっても、どうか落ち着いて行動していただければと思います。​


新燃岳の北西にある韓国岳からの映像です。
火口の内側の方が見えるせいか、溶岩の様子がよく見えます。
あと写真を見ると、真っ赤になった溶岩だけに目が行ってしまいますが、噴煙を見ると、色が濃い灰色なのが見て取れます。これは火山灰(マグマ成分)を多量に含んだ状態であることを示しています。
火山灰とは、マグマが発泡して粉のようになった状態の物質と言えば、イメージがつかみやすいでしょうか。
火山灰が大量に噴出しているということは、それだけマグマの活動が活発だということですから、火山活動はまだまだ続きそうという推測は、この写真からもうかがえます。

とまぁ、私の考えはこんな感じです。

また何かありましたら、ブログに書いていきたいと思います。

それではまた。
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Last updated  2018.03.09 00:18:27
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