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2018.06.12
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先月は日本の火山はおとなしめでした。海外では、ハワイの噴火が強まり、6月になってからはグァテマラのフエゴ山の噴火が始まりと、今年は火山の年になっていますねぇ。

八甲田山(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)

4月に42回の火山性地震が観測された八甲田山ですが、その後は大きな変化はありません。
とりあえず、5月時点のデータを見る限り、すぐに噴火に至るような兆候はなさそうです。
どこぞの週刊誌や日刊紙では、次に触れる秋田駒ケ岳と合わせて、さも大噴火の兆候があるというニュアンスで掻き立てられていましたが、まぁ、この辺はいつも通りの中もの欠落した煽りクオリティです。
ちなみに今回もとくと危険を煽っていたのは、前にブログで振った炊いた事のあるT教授です。
​不思議に思うのは、この手の先生、災害をピンポイントで当てたことは皆無、当たったように見える予測(しかも、「関東で今年震度4の地震が起きます」程度の、素人でも適当に当てられるような制精度の低いもの)が少しあるぐらいの悩ましいものなのに、「災害に警鐘を鳴らしている」という感じに、メディアがもてはやす理由は何なんでしょうね?​
科学的な根拠のない「警鐘」など、ただの妄想の産物です。忌避される理由はあっても、礼賛されるような要素はないはずなのにね。
とまぁ、話が違う方向にずれそうなので、八甲田山の話題はこれぐらいにしたいと思います。


秋田駒ケ岳(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)

4月に続き、5月も火山性地震が多めです。震源は概ね男女岳山頂付近のようです。
ただし低周波地震は起きておらず、噴気の量も変化なく、マグマ活動が活発化している兆しは、現時点ではありません。
今のところ噴火の危険はなさそうですが、本年2月あたりから、少し火山活動が増えているのは確かなので、もし噴火警戒レベルが上昇することがあっても、落ち着いて行動できればと思っています。


草津白根山(白根山、本白根山とも噴火警戒レベル2、火口周辺規制)

4月に噴火警戒レベルが2に上昇した白根山の方は、5月も火山性地震の増減が激しく続いています。
ただし、火山性微動は観測されていないので、マグマの動きが活発化しているわけではないようです。
​ただし嫌な感じなのは、全磁力連続観測のデータには、若干湯釜付近の温度が上昇しているきらいがあります。マグマは上昇していませんが、内圧自体は少し上昇しているので、小さい噴火がぽかんと来る可能性があります(それを考慮して、気象庁は4月に噴火警戒レベルを上げました)。​
まぁ、今日明日に噴火が起きるというような話ではなく、このまま噴火せず落ち着いて行く可能性も十分にあります。
当面は様子見という感じです。
ちなみに、1月に噴火した本白根山側は、変化なしです。


桜島 (噴火警戒レベル3 入山規制)​​

5月の桜島は元気いっぱいです。
​南岳火口では96回もの噴火が発生しました(内、爆発津的噴火は48回です。ちなみに5月は、昭和火口では噴火は起きていません)。​
現在の桜島の噴火は、完全に南岳火口がメインですね。数年前は昭和火口が噴火の中心だったのに。
現時点も、​桜島直下の姶良カルデラにマグマの供給が続いていますので、6月以降も、現状の桜島の噴火活動が続きそうです。
今のところ、大正大噴火に匹敵する規模の噴火が起きる兆候は観測されていません。
ただし、蓄えられてエネルギー的には、それを引き起こせる規模の燃料はチャージされています。
恐がりすぎず、油断せず、正しい知識で正しく怖がりたいですね。


霧島山(えびの高原(硫黄山)、新燃岳 噴火警戒レベル2、火口周辺規制)

霧島の名を見ると、郷愁を感じます。
それはさておき、えびの高原側から見ていきたいと思います。

硫黄山は4月27日の噴火が最後で、5月は噴火がありませんでした。
大きな圧力はいったん抜けたようで、5月1日に噴火警戒レベルが3(入山規制) から2(火口周辺規制)に引き下げられました。
ただし大人しくなったと言えばそれは違います。
依然噴気の勢いは強く、低周波地震も観測されています。マグマの活動は活発です(それが5月14日の新燃岳噴火につながったと思われます)。
​また泥濘や、有毒成分の付近の河川への流入は依然続いています(5月中旬以降、少しずつ小さくなっていますが)。​
当面4月の規模の噴火が起きる可能性があります。

あと気になった点です。
写真と図は、一連の硫黄山の噴気や噴火の起きた地点です。


従来の噴気地点と違う場所から新たな噴気、そして噴火となっています。徳の写真を見ていただくと、登山道のすぐ隣に噴気が出ていることもうかがえます。
従来想定されていた硫黄山の噴火地点と、今回の噴火場所の違いは、気になります。
一連の火山活動で、硫黄山近辺の地盤は、かなり脆くなっているように見受けられます。
噴火自体は発生しなくても、こちらの登山道の開放は、なかなかされないかもしれません。

新燃岳ですが、私が霧島を去った5月14日に、小規模噴火が起きました。
・・・運がいいのか悪いのか。

その後は大きな地殻変動はなく、火山活動は落ち着いています。
ただし落ち着いていくかと言われれれば、当面は要警戒ということでしょうね。今はマグマの供給元になっている硫黄山近辺で、大きな動きがないため落ち着いていますが、そちらで新ら燃料が供給されれば、新たな小噴火の発生する可能性はあります。
まだまだ警戒が必要なようです。
・・・霧島を縦走できる日は、いつになることやら。


口永良部島(噴火警戒レベル3 入山規制) →(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)

先月見落としてましたが(汗)、4月18日に噴火警戒レベルが引き下げられていました。
口永良部島の火山活動は、順調に低下しています。ただし、噴火前の状態までは低下していないので、まだ当面は様子見が続きそうです。

浅間山(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)
西之島(噴火警戒レベル3 入山規制)​​

​大きな変化はありません。





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Last updated  2018.06.12 22:22:22
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