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カテゴリ:防災・減災・生存術
河川の氾濫や大雨等でご苦労されている方も多いかと思います。今回の台風で被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。またお亡くなりになった方々のご冥福をお祈り申し上げます。 各地に大きな被害をもたらした台風19号は、13日12時45分に温帯低気圧になったようです。 東京では多摩川の氾濫も起きましたし、全国で21河川24か所で決壊や氾濫が発生し(10月13日21時時点のデータ)、死者40名を超す(14日16時時点)大きな被害が出てしまいました。 まだ河川の氾濫の危険性が懸念されていますし、大雨で緩んだ地盤が崩壊する土砂災害の可能性もまだ継続中です。14日は東海地方から東は雨の予報となっています(東京も時折降っています)。 くれぐれも油断されないようご注意ください。 さて、私の住んでいる江戸川区は、東京23区の中でかなり早いタイミングで避難勧告が出されました。 私の知る限り、自治体として初めての避難勧告だったと思われますが、やはり初めてということもあってか、いろいろ混乱があったようです。 ご近所さんに聞いた限りなので、情報の範囲は狭くて少ないのですが、いくつか聞き知った話をあげたいと思います。 ・避難所の開設に時間がかかった。 避難勧告が出されれたのは、9時45分で、最後の避難所が開設されたのが13時40分でした。 もちろん、避難勧告が出されてから開設に動き出したわけではなく(現に公民館などは、避難勧告発令直後に、避難所が開いてました)、その前から準備をしていたところ、新中川が想定外に早く危険水位になってしまった結果だと思います。 区役所もしくは協力企業や組織等の少ない人員で、約70か所の避難所開設作業が簡単なわけがなく、時間がかかってしまったのはやむを得ないと思います。被害規模や想定される影響を推し量るのは大変だと思いますし。 しかし、もし避難勧告前もしくは勧告直後に河川の氾濫が発生していたら、大部分の避難対象者は不意打ちで冠水に巻き込まれていたかもしれません。 惨事にならなかったのは、ひとえに実際に河川の氾濫が起きなかった事につきます。 今回の災害は、地震など突然発生した大災害ではなく、事前に大規模災害が想定されていた台風であることを考えると、頑張っていたけど後手に回ってしまった感があるように思います。 もし次に生かす点を挙げるなら、前日に避難所開設準備を進めておく。人員の不足についても、数日前からボランティアなどの募集をかけて集めておく。といった方法が有効かもしれません。 ・避難所に避難希望者を収容しきれなかった。 江戸川区内は小学校約70校、中学校約30校あります。内、計65校の小中学校に避難所が開設され、合計で約3万3千人が避難しました。それで満杯になったようです。 避難勧告エリアの対象者は42万人でしたから、全体の7.8%余りしか収容しきれなかったことになります。 もちろん対象者と言っても、マンションや高層住宅の3階以上に住んでいる方は、特に避難する必要はなかったので、厳密に42万人が深刻な生命の危機に陥ったわけではありませんが、避難希望者を全員収容しきれなかったのは、今後の課題となるでしょう。 実際、区の公民館やコミュニティー会館は、1時間もしないうちに満杯になってしまったたようです。 私が避難しようと思っていた小学校も、何時の時点かはわかりませんが満杯になってしまったようで(それを聞いて、私もいざという時やばかったと冷や汗をかきました)、いくつもの避難所を回ったり、諦めて自宅に帰った人たちもいたようです。 もし氾濫などで冠水被害が発生していた場合、死傷者が出ていたかもしれません。 区では、隣接する千葉県浦安市や市川市と、災害時の被災者受け入れや救援物資の相互支援協定を結んでいたようですが、そちらの自治体でも、自分たちの住人の対応で追われていましたから、受け入れは困難だったでしょう。 公営施設がダメなら、大人数を収容できる施設を持つ民間企業に、協力を求める事になるでしょうか。それも限度がありますね。 やはり避難は、公的な機関に頼りつつも、可能な限り自力避難するしかないようです。 今回の台風時、盛んに報道で言われていたのが、「垂直避難」という避難方法です。 たとえば江戸川区における台風で想定される被害は、河川・高潮による冠水です。 冠水と言っても、水量や冠水理由(堤防が決壊したのか、堤防を越えて水が流入しているかだけでもだいぶ異なります)によって異なりますが、江戸川区近辺の場合、だいたい2~3m位が想定されています。 その規模の冠水が発生した場合、住宅の一階は完全に水没し2階も床下浸水or床上浸水という感じになるでしょう。 逆に言えば、3階以上の高い場所に避難すれば、水に飲まれる危険は回避できることになります。 この方法は手っ取り早くて有効ですが(私ももし避難が遅くなって、避難所に行けなかった場合は、同じアパートの2階に一時避難しようと思っていました)、同時に問題もあります。 上の階の住人と顔見知りなどで、室内に入れてもらえる場合は、大きな問題はありませんが、ただ上の階に避難しただけの場合、通路や階段付近で、風雨にさらされる中ひたすら何時間も耐える事になってしまう事です。 もちろんトイレもありませんし(携帯トイレを準備するのも手ですが、抵抗を感じる人も多いでしょうね。ちなみに、登山が趣味の私は、小用の携帯トイレは常に数回分ストックしています)、体の弱い人は体調を崩してしまう可能性もあります。 水害時に垂直避難という方法自体は、正しい避難方法なので、避難者が長時間耐えうる方法はなにがあるかを、考えていかないといけませんね。 最後に、リッチ? な避難をした人たちもいました。それは近所のホテルに宿泊した人たちです(実はこの方法は、私も考えた避難方法の一つでしたが、お金がかなりかかりますから、ホテルのHP(例えば大浴場があるか等)を眺めているだけで、今回は終了となりました)。 これなら避難所や垂直避難で、ストレスを感じつつ災害が収まるのを待つのとは異なり、ベッドなどでゆっくり休息できますし、お風呂やシャワー、トイレも、停電や断水がない場合は.確保できます。食事も可能でしょう。 ホテルから避難となった時も、従業員の適切な誘導も受けられます(訓練が行き届いているホテルの場合ですが)。 もし小さいお子様や、体が不自由なご家族がいらっしゃる方は、検討の価値があると思います。 話がずれてきましたが、災害時の避難や対応は、行政にお任せしないといけない点もある一方で、個人が改善できる要素も多々あります。 脅かすわけではありませんが、台風は毎年来ますから、来年も同じような台風が来襲する可能性はゼロではありません。 また地震も、いつかはわかりませんが南海トラフは必ず来ます。直下型の大地震が襲ってくることもあるでしょう。 災害はいつ来るかはわかりませんが、日ごろから防災・減災について考え、少しでも準備していく。家族と話をして意識を高めていく事は、今日からでも始められます。 いざという時に慌てず、落ち着いて自分と家族の命を守るために冷静に行動したいですね。 それではまた。
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