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カテゴリ:火山・地震情報の見方
久々地震ネタです。 12月になってから、地震が多く騒がれているようですねぇ。 恥ずかしながら今日の地震(6時37分の山梨県東部・富士五湖周辺を震源とするマグニチュード4.9の地震と、9時28分に紀伊水道で発生したマグニチュード5.4の地震)も、昨日一昨日の地震も、私は気がつきませんでした。 夜起きた地震は爆睡中でしたし、今朝はちょうどシャワーを浴びていて何も感じなかったためです。朝の地震は、私の住んでいるエリアは震度3だったんですけどねぇ・・・。 一連の地震で、大きく二つのことがネットなどで騒がれているようです。 ひとつは山梨県東部、富士五湖周辺を震源地とする地震が起きていることに関連して、富士山が噴火するのではと言うものです。 私の見解ですが、その可能性はほぼ0と言っていいでしょう。 理由ですが、今回の地震で富士山地下にあると思われるマグマ溜りにまったく変化が無いためです。 マグマが活発化する時に、よく観測されるのは低周波地震です。御嶽山噴火の時などもこの低周波地震が観測された直後に噴火が起きました。 今回の一連の地震で、富士山に低周波地震が観測されたかというとまったくありません。富士山は依然眠ったままなのです。 今回の地震で純粋に気をつけた方がいいかなと思うのは、直下型の活断層地震です。富士五湖周辺にある活断層が活動的になっているならば、大きめな地震が発生すると言うこともあり得るかもしれません。 まぁ、この辺は東京直下の活断層なども状況は同じなので、富士五湖周辺の活断層が特別活発化しているというわけではありませんから、危険度が高まっているという意味ではありません。 また一応追記しておきますと、仮に富士五湖周辺の活断層が、阪神淡路や熊本地震レベルの大きな地震を引き起こしたとしても、富士山のマグマ溜りに与える影響は小さく、噴火の危険度は上がらないと思われます。 次に和歌山の方で発生した地震について、南海トラフ巨大地震の前兆ではないかというものですが、マグニチュードが5.4と地震規模が小さく、こちらも南海トラフ想定震源域の震源の深さも異なるので、直接的な影響は無いと見ています。震度はともかく、マグニチュードも小さいですしね。 ただ断層のずれた方向が、南海トラフ大地震を起こすと言われているフィリピン海プレートが西南日本の下に沈み込む方向に動いていると言う指摘が出ており(京都大学地震予知研究センターの片尾浩准教授の見解)、その意味では少し気になります。 将来、南海トラフ巨大地震が発生した時、今回の地震と同じ方向に大きく動くかもしれませんからね。 さてこんな感じで、私の見解としては、富士山噴火や南海トラフ巨大地震に繋がる兆候というふうにはまったく思っていません。 同じ日に震度5弱の地震が起きたことから、不安に感じる方もいるかもしれませんが、地震のエネルギー的には、マグニチュード4.9、5.4とあまり大きくありません(参考までに、日本では年間マグニチュード5台の地震は約140回、4台の地震は約900回発生します)。 噴火や巨大地震を誘発するような大きな地震ではないのです。 一方でこのての話をブログに書く時毎度書いていることですが、いつ地震が起きても対応できるよう、心構えや準備は怠らずにしていきましょうと言うことにつきると思います。 それが減災にも繋がります。 どーせ週刊誌や日刊紙が、また煽り記事を書いて載せると思いますが、そんな当たりもしない情報紙買って読んで怯えるより、非常食や非常用飲料水の一つでも買って、家族と避難経路について話し合う方がよっぽど役立ちます。 皆様も慌てず怖がらず、そして油断せず、減災について考えていきたいですね。 それではまた。
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