|
カテゴリ:火山・地震情報の見方
さて、昨日1月15日13時頃に発生しましたトンガの海底火山フンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山大規模噴火の情報について、現時点(16日9時)の情報をまとめたいと思います。 フンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山は、フンガの首都ヌクアロファから約60km離れた場所にある海底火山です。 噴火の詳しい規模や現地の状況は不明ですが(トンガでは、停電に加えてインターネットが不通になっているという情報もあります)、噴煙の高さは1万6千mを超え、噴火時に日本でも空振(ここでは火山噴火時に発生する衝撃波)による気圧変動が観測されたとのことですから、かなりの大規模な噴火であると考えられます。 噴火直後の日本の気象衛星ひまわり8号の画像もネットなどで見られますから、興味のある方はご覧いただけばと思います。 現在、噴火場所に近いトンガのみならず、米領サモア、フィジー、ニュージーランド、そして日本でも、津波警報並びに津波注意報が発令させています。沿岸部にお住まいの方はくれぐれもご注意ください。 前述の通り、噴火規模や現地の被害状況はまだ不明ですが、トンガから約8000km離れた日本でも空振が観測されていることから、もしかしたら1883年に起きたクラカタウ噴火に比肩する規模の噴火である可能性もあります。 1883年のクラカタウ噴火は、地球規模で火山の冬を引き起こし、小氷河期をもたらしました(5年間にわたり、約1.2度気温が低下しました)。 この噴火は、日本では秩父事件の原因の一つになっていますし(農作物の不作に加えて、噴火前年に生糸の世界的な暴落が日本にも波及して農民たちが困窮したところに、さらなる増税が重なったのが蜂起の背景です)、また大きなスパンで見れば日露戦争の遠因の一つにもなっていますから(ロシアのウラジオストックが冬期凍結するようになったため、新たな艦隊根拠地として中国の旅順に目をつけますが、日清戦争の結果、旅順を含めた遼東半島が日本領になる事になったのを見て慌てて、ドイツ・フランスと組んで三国干渉を行って領有を放棄させますが、それが日本との関係悪化、戦争への遠因となっていきます)、その影響は軽視できません。 今後の状況について、注意深く見守っていきたいと思います。 それではまた。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[火山・地震情報の見方] カテゴリの最新記事
|