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2005.01.12
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カテゴリ:読書
(あらすじ)
 正月に読破した本の紹介シリーズ。今回は宮部みゆき氏の「龍は眠る」です。
 今ではミステリィ界にその地位を不動のものとしている宮部みゆき氏。直木賞受賞の「理由」やベストセラー「模倣犯」等は今更紹介するまでもなく、その緻密に練り上げられた設定、見えるようで見えないストーリー展開は読み始めると寝ること、食べることも忘れるほど引き込まれてしまいます。
 今回の「龍は眠る」は、“超能力者の青年”が登場するという非現実的な設定ながら随所に宮部節がほどこされた一作。さてさて、どういった点が興味をひいたのか。2人の会話形式にまとめる形で振り返ってみます。

帆: うぅん。
須: あれ、課長。なんか拾い食いでもしたんですか?
帆: あぁ、夕べ居間においてあったいちご大福が少し痛んでたかもぉ。って、そんなことで唸ってるわけじゃないんだけどね。やっぱり宮部みゆきってすごいなぁ~と感心してたところ。
須: おおっ!僕も読んだことありますよ、宮部みゆき。「理由」とか。
帆: うんうん。「理由」は本当に完成された作品だからね。直木賞を受賞するのもうなづけるよ。でも、この前呼んだ「パーフェクト・ブルー」は宮部嬢にしては荒っぽい感じで、あんまりはまらなかったからしばらく読んでなかったんだけど。
須: ふんふん。( ̄- ̄ )
帆: 今回読んだ「龍は眠る」はやっぱり宮部みゆきだぁ!と思っちゃったもんね。
須: どこらあたりが面白かったんですか?
帆: そうだねぇ。まず、超能力を持った青年が出てくるところが現実を基準に考えるミステリィとしては「ぎょっ!」という印象だった。でも、最後まで読んでみると全然その設定が気にならないどころか、ストーリーを面白くする上で絶妙のスパイスになってた。ただ、テレポーテーションまで使えるというのはやりすぎかなぁと思ったけれど。
須: へぇ。それはちょっととっかかりが非現実なところですねぇ。「理由」は報道記者になったかのような事実の追いかけによって事件の真相が見えてくる、つまりリアリティがポイントだったことを考えると、確かに面食らうところはありますね。
帆: うん、そうなんだよ。でも、その非現実的な設定がうまくスパイスされてるんだよね。主人公は全く異なる2つの事件に出会うことによって過去を払拭し、成長するんだけど、この異なる2つの事件が本当に自然にリンクするんだよねぇ。そのストーリー展開はやはり宮部節の真骨頂だといえるよねぇ。
須: へぇ、「理由」もいくつものパズルが乱雑に並んでいるように見えて、精密にその全てが繋がる、真相が見えるというストーリー展開でしたから。どんどん先が気になりましたよ。「龍は眠る」もそんな感じなんですか?
帆: うん。ただ、事件を通してキャラクターを描く人間ドラマだけでなく、主人公がなぜ事件に関与しているのか分からないというミステリィ的エンターテイメントもちゃんと押さえられてるんだよね。このバランスがちゃんと成り立っているところがやはり世間でも評価される理由なんだろうねぇ。
須: うぅん。僕も宮部みゆき読みたくなってきましたよ。今までは単にストーリー展開がうまいミステリィという風に捉えてたんですけど、確かに言われてみると丁寧にキャラクター個々が描かれているから感情移入して、どんどん読んじゃうんですね。
帆: そう。それこそが宮部節!さすがだよねぇ~。
須: そういえば、最新刊「日暮らし」が昨年末に発売されてますよっ!読まないと!!
帆: 時代小説らしいよぉ~。読みたい、読みたい。でも、ハードカバーをお金がないから買えないんだよね。お小遣い毎月300円だから。
須: (文庫本でも買えないんじゃないのか?)(´Д`)





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Last updated  2005.01.12 21:27:03
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