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カテゴリ:アラビア語
先日ペルシア書道の作品展を見に行った際、鴨長明の「方丈記」の冒頭部分をペルシア語に訳したものを使った作品がありました。
このことをアラビア書道の生徒さんにお話したところ、アラビア語ではどうなるのか、是非知りたいという方がいらっしゃいました。 もし翻訳されたものが見つかったらご連絡しますと応えましたが、多分無いだろうなと思いつつ、あちらこちらのお稽古場所でお話していたところ、生徒さんのなかから、アラブ イスラーム学院の図書館にありますよ、という情報がありました。 早速、同図書館で探してもらったところ余り厚くない方丈記のアラビア語訳の本が確かにありました。 表紙に写楽風の絵が描かれ、アラビア語で”Hujuki”と書かれており、翻訳はアーデル・アミーンという方がされていました。日本財団が援助しており、出版社はエジプトの"Daar miSri al-muHuusa"というところになっています。 有名な方丈記の冒頭部分「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し.....」はどのように訳されているのかと見てみると、下記の通り、かなり長文になっていました。 翻訳された方もかなり苦心したのだろうなと思われますが、ほぼ原典に忠実に訳されています。これを見ると、日本語ではかなり簡潔に表現されていますが、そのままアラビア語に訳したのでは意味が良くわからないのでかなり補足説明が入っているのが分かります。それでも、日本の川とアラブの川ではかなり印象が異なるだろうし、その川の泡を見て、”はかなさ”をアラブの人々が感じるだろうかなとも思います。 方丈記の他にいくつか日本語の有名な作品がアラビア語に訳されているので、この訳され方を比較したり、アラブ人にその雰囲気が分かるものかどうかなどを調べてゆくのも面白いなと思います。 卒論を準備されている方、ご検討下さい。 アラビア語版「方丈記」の表紙と冒頭部分 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.11.27 22:41:38
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