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カテゴリ:アラビア書道
クーフィー書体はアラビア書道のなかでも最も古い書体で、現在のイラクのクーファという都市で生まれたと言われています。
当時の文字は金釘のような文字でした。これは表面がザラザラの獣皮紙、つまり動物の皮に書かれていたため、滑らかな線が書きにくかったためと思われます。獣皮紙は高価なのでクルアーンなど重要なものにしか使われませんでした。 751年イスラム勢力のアッバース朝軍が中国の唐軍と中央アジアのタラス河畔(現キルギス)で戦った時に、唐軍の捕虜を通じて製紙法が伝わり、サマルカンド(現ウズベキスタン)に製紙工場ができたといわれています。 その後、紙が普及してきたにもかかわらず、クルアーンは10世紀ごろまで獣皮紙に書かれていました。アッラーの言葉を写すにはペラペラの紙ではなく、しっかりした獣皮紙に書かねばならないという考えがあったのかも知れません。 しかしながら、次第にクルアーンも紙に書かれるようになり、それと共に滑らかな線を持つ新たな書体が生まれました。それがナスヒー書体でした。現在でもクルアーンはナスヒー書体で書かれています。 一方、クーフィー書体は廃れずに、生き残り、アフリカ北部の東クーフィー体などのバリエーションができ、そして現在でもモロッコなどに残っているマグレビー書体に形を止めています。 コンピュータが使われるようになってから新しい書体がどんどん生み出されているなか、クーフィー書体は洗練され、ロゴとして使われたり、本の装飾、モスクの外壁にデザインに使用されるようになっています。 クーフィー書体には他の書体のような厳格なきまりは余りありません。書道家でなくても、アラビア語を知っていれば書(描)け、葦や竹の筆も必要なく、方眼紙と鉛筆があれば作成可能です。 ということで、今回はクーフィー書体(もどき?)でタイル風に描いてみました。 文章は、 اَلْمُسْتَقْبَلُ مِنْ صُنْعِ أَيْدِينَا (アル・ムスタクバル ミン スンイ アイディーナー)「未来は我々の手が作るもの」 ですが、読めるでしょうか?右下から始まり一回転しています。 アイディーナーは、「手」の複数形 أَيْدٍ(アイディン)の後ろに「我々の」を表す人称代名詞نَا(ナー)が付いた形ですが、定冠詞がついたり、人称代名詞が付いたりして、限定されるとي(ヤー)の文字が現れます。 本作品は表計算に使用するエクセルで作っています。(赤の部分はダンマもしくはスクーンです) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.05.13 12:50:20
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