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カテゴリ:アラビア書道
اِفْتَحْ يَا سِمْسِمُ (直訳)開け、ゴマよ 多分日本人で一番なじみのあるアラブの言葉でしょう。千夜一夜物語の中の「アリババと40人の盗賊」の中で盗賊の首領が宝を隠してある岩山の前で叫ぶ呪文です。お手本でもしばしば書くことがあります。 この文は命令文です。(ياَ)yaaヤーは呼びかけ、その後に付く名詞は呼格となり、(سِمْسِمٌ)シムシムンがタンウィーンが無くなった形のシムシムなります。 命令形ですので文字通り訳すと「開け。ゴマよ」になります。「開け。岩よ」の方がよさそうですが、人に知られないように暗号化してゴマにしたのでしょう。 Wikipediaの英語版を見ると、最初にこの文言が使われたのはアントワン・ギャランドの千夜一夜物語のフランス語訳(1704-1717)とあります。 また、なぜ「ゴマ」かというのにはいくつか説があります。 1.ゴマが熟すと弾けるサヤのなかで育つので財宝の解錠をほのめかしている。ただ、それがゴマの実なのかゴマの草の方を指すのかはっきりしない。 2.ヘブライ語のshem(名前)すなわち「神」を二回反復したもの 3.ユダヤ教神秘主義思想で使われる単語「shem-shamayiin(天国の名前)」を表す 2か3の方がなんとなく真実味を帯びていますね。 ナスヒー書体で書いてみました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.08.09 12:35:47
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