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カテゴリ:歴史
新潮文庫
「えっ?殿が失踪!? まあ素敵!」大喜び、いえ、大急ぎで姫が千石船を仕立てて駆けつけた風見藩は、お家乗っ取りの大ピンチ!」というあおり文句の帯・・・ 先日、「おんみつ蜜姫」を読みました。今回、新刊の中で同じ作者で「退屈姫君 海を渡る」があり、表紙の絵が同じ人の絵だったので続編かと思ったら・・・蜜姫の時代から50年ほど後の田沼時代が舞台、蜜姫の婚約相手?だった風見藩が舞台、だったので即購入しました。 すると、なんとこのシリーズ、これがはじめではなく、「退屈姫君伝」というのがあるという。しかも、ここで登場する主な登場人物についてはそれぞれ「風流冷飯伝」「面影小町伝」があると・・・ まとめて購入し、読みかけた「退屈姫君 海を渡る」から「退屈姫君伝」まで一気読み。 まず「退屈姫君伝」 この話は江戸時代中期、田沼意次が幅をきかせていた時代です。 陸奥の国の50万石の大藩、磐内藩の姫君、めだか姫が主人公。めだか姫は、美人だけれどもやんちゃで人騒がせ?ないたずら姫君で17歳。ある日突然お輿入れが決まってしまいました。しかも相手はわずか2万5千石の貧乏藩、讃岐の風見藩。 貧乏藩なもので、替えの足袋さえなかなか買えない生活で、ふと屋敷を探検しようとした姫君、冷や飯の義弟に連れられ屋敷の外へ、そして何故か田沼意次のお家お取りつぶし陰謀に巻き込まれ、さあ大変・・ 次は「退屈姫君 海を渡る」 海を渡るというからご禁制をおかして外国にでも行くのかと思ったら、さすがにそこまでではなく、讃岐の風見藩、つまり本国ですね。しかし大名の正室は江戸にいなくてはいけない。でも、めだか姫、実家の父にさっそく船をしたてさせてしまいます。「退屈姫君」でもそうですが、この父君、ただものではない・・・・この姫の父だけある。 前回は田沼意次の陰謀でしたけど、今度はお家乗っ取り計画。悪役は、瞳から光を発し、人を思いのままに操るという美青年・・・まるでバンコランみたい(^^;) それにしても、このシリーズ、舞台は江戸時代ですけれども登場人物がとても現代的。主人公のめだか姫だけではなく、みんなとんでもない?人たちばかりです。 ちなみに前回、風見藩についてはよくわからなかったのだけれども、磐内藩については、たぶん山形あたりだろうとは思います。陸奥の大きな藩というと仙台の伊達家が思い浮かびますけれども、姫が結婚相手として名をあげた中に「伊達さま」があったので伊達家ではないでしょう。(まさか宇和島の伊達家のことを言ったわけではないと思うし) 姫の実家は殖産興業に成功し、裕福な50万石。・・・・たぶんそんな藩ない・・・。でも特産が「紅花」なので、きっと山形でしょう。山形といえば米沢の上杉家かなと思いましたが、上杉景勝が米沢に30万石で国替えになり、その後、吉良家からの末期養子で半分にはり、田沼の時代には15万石程度ではないかと。たぶん、その辺で50万石という設定にしたんでしょうね。 【楽天ブックス】退屈姫君海を渡る 【本日の言葉】 「退屈姫君伝」 p365「わしはな、密約の件ではなく、そちの悪戯で嫁ぎ先の藩が改易になることを怖れたのだ。そうなった際、小さな藩の方が、迷惑をこうむる藩士が少ないでな」 「退屈姫君 海を渡る」 p225「藩を乗っ取らせてやるのも面白いではないか。たかが二万五千石とは申せ、藩の経営は楽ではないぞ。いや、小藩なればこそ苦労も多い。大名とは、さきほど数馬が申していったような、生易しい生業ではないのだ。六波羅にその苦労を味わせてやるのも一興。たしかにあの男、この里の主にとどめるには惜しい人物だ。だが…大名として、一つの藩を切り盛りしてゆくだけの器量があるのかな」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.11.04 13:03:37
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