蛇行する川のほとり
あの夏の日、少女たちは川のほとりにある「船着場のある家」で合宿を始めた。夏の終わりの演劇祭に向けて、舞台背景の絵を仕上げるために。それは、楽しく充実した高校生活の最高の思い出になるはずだった。ひとりの美しい少年の言葉が、この世界のすべてを灰色に変えるまでは…。そして、運命の歯車は回り始めた。あの遠い夏の日と同じように―。運命の岸辺に佇む少女たちの物語。 なんて美しい物語なんだろう、というのが素直な感想。そもそも、名前がみんなきれいだ。毬子・香澄・芳野・暁臣・月彦・真魚子・宵子香澄がとにかく魅力的で、すばらしい女性だ。こんな人が近くにいれば、私も絶対に魅了されるに違いない!しかし、私が一番好きなのは芳野。彼女のように、絵が描けたらどんなに素敵だろう。絵を描くという行為は、どこか神秘的で、そんな描くものと、描かれるもの、という二種類しかいない小さな空間の中に入り込めたらいいな。芳野のような人が描いた絵をみてみたい。次に、暁臣が好きかな。毬子のことが好きで、好きで、あんな風に独占したくなっちゃうなんて、かわいい!あの子はかわいい!物語に続きがあるなら、毬子はいつか彼の気持ちを受け止める日がくるんじゃないかな。