薄情ですね~
昨日の朝の通勤電車での出来事。毎朝、ある駅で、電車を各停に乗り換えています。昨日も普段どおりの電車が来たので、後ろから2両目の前の方のドアから乗り込み、空いている席があったので座りました(この電車は、まず座れるくらいいつも空いているんです)。そしてふと横を見ると、中年男性の膝に顔をうずめている女性が。一瞬、夫婦か、恋人が仲たがいをして女性がよよとすがるように泣いているのかとの思いが頭をよぎりましたが、男性は気にとめるふうでもなく背筋を伸ばしたまま前を見ている、女性は泣いているわけでもなさそう、何か、不自然だったので、男性に『どうかしたんですか?』と尋ねました。『この人が急に倒れこんできたんです。』との回答。(このおっさんアホか!と思いつつ)自分は、とにかく車掌に伝えてくるといい、隣の車両の車掌に女性が倒れている旨を伝え、席に戻りました。(車掌も「えらいこっちゃ!」みたいなことを言い、どうするか考えたんだと思いますが既に電車は動き出しており、各停でもありポジションから離れることもできず、恐らく次の駅に連絡したんだと思います。)そしたら、まだそのままの状態(誰かが声でもかけているかなと思ったんですが。もちろん、件のおっさんも)。自分はしゃがみこんで、『どうしゃはったん?貧血でもおこさはったんですか?』などと尋ねると、女性が僅かに(顔色をなくした)顔をあげて、『風邪気味でちょっと気分が悪くって・・』と答えました。持っていた傘や、カバンも床に放りだされたまま、こんなとこ(電車の床)にしゃがみこんでいるのも見ていられないし、心臓や、脳の問題で倒れたんじゃなさそうだったので、動かしてもいいと判断し、女性のカバンと傘を持ち、(失礼かとは思いましたが)女性の二の腕を持ち、自分が座っていた席にでもかけるよう促しました。そうこうしている間に、電車は次の駅に着き、女性は立ち上がり『大丈夫です。この駅で降ります』といい、電車を降りました。電車の外には、車掌が走ってきており、自分は『この人です』と伝え、車掌は駅員に大声で「後を頼む」というようなことを言い、駅員が駆け寄ってきました。そして駅員の肩に寄り添うようにして、その女性は改札の方へ。電車が動き出したので後のことは知りません。この間、時間にしてほんの数分だったんですが、満員電車でもなく、1車両に立っている人もほんの数人いるかいないかという状況の中、みんな目には入っているはずなのに、膝元に倒れこまれている男性をはじめ、結局誰も何の行動も起こさなかったその事実に自分は慄然としました。この国の国民は、いつの間にこんなに薄情な国民になってしまったのかと。最近、いろんな施設等で、心臓停止に近い状態になった人の生存率を高めるため、素人にも使えるよう工夫された自動体外式除細動器が設置されていることを耳にしますが、いくらハードを設置したからと言って、本当にその効果が出るんだろうかと疑問に思いました。なお、この「自動体外式除細動器」、ウェブ検索してみると、「専門知識のない一般の方が使用しても、電源を入れて通電パッドを患者さんの胸に貼り付けると、AEDが自動的に心臓の波形を分析し、電気ショックが必要であれば、AEDが音声メッセージで通電ボタンを押す指示をするなど取り扱いが非常に簡単です。もともと電気ショックの必要のない患者さんに対しては、ボタンを押すメッセージや指示は出ませんし、もし誤ってボタンを押しても電気ショックはかからないなど、非常に安全性の高いものです。(AEDを使用し、結果的に救命できなかったり、身体に障害が残ったとしても、その使用者が処罰されたり責任を問われることはありません。)ということです。ご安心を。