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あま野球日記@大学野球

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2013.12.17
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テーマ:日本野球史(134)
カテゴリ:日本野球史

前回の続き。



■(今日も大和球士さんの著書からの引用はなし)
1971年の日本シリーズは、7連覇を目指す巨人と、阪急が戦った。
そして1勝1敗で迎えた第3戦(10月15日、於後楽園球場)にドラマが起きた。

阪急 010 000 000 =1
巨人 000 000 003X=3

(阪)●山田、(巨)○関本

第2戦で7イニングを投げ、この第3戦も先発に起用された阪急・山田久志の投球は見事だった。打者の手元で低めからさらに沈む球、高めからグンと浮き上がる速球。8回を終わった時点で、被安打はたったの2本。阪急の勝利は目前だった。

そして9回、死球と内野失策で二死二塁となり、打席に4番・王貞治を迎えた。王、この試合の成績は三振、三飛、遊ゴロとまったく快音なし。「いくら王でも、快打は望めないだろう」と巨人ファンは勝利を諦めかけていた。しかし、カウント1-1からの3球目だった。

越智正典さんのペンによれば(『スポーツ20世紀 名勝負伝説』、写真も)、
「運命の第3球が真ん中低めを襲った。ストレート。王のバットが一閃した。まるで剣を一瞬のうちに抜き、ヨコになぎ払ったように見えた。打球は瞬く間にライトスタンドに飛び込んでいった。逆転サヨナラ3ランであった」と書いていた。

続けて、
「この敗北が山田の精神の発進の時であった。72年に20勝で最多勝。そして75年から
77年、阪急日本シリーズ3連覇のヒーローとなり、26勝で最多勝に輝いた76年から3年連続でパ・リーグMVPを獲得。88年までの現役20年間で、通算284勝を記録する大投手となるのである」
と書いた。



■打たれた山田の話。(『パ・リーグを生きた男 悲運の闘将 西本幸雄』(ぴあ)より引用)
「それまで巨人を2安打に抑えていて、自分では勝てるという絶対的な確信がありました。巨人相手に1-0で完封するなんて夢みたいなもの。そんな夢物語のようなことを自分がやろうとしている。自分が自分じゃないような感じで投げているわけですよ」

しかし、まさかのサヨナラ負け。山田は一転して地獄に叩き落された。マウンド上でしゃがみこんだまま動けない。

「ヒーローインタビューのコメントまで考えていたのに。あの一球で、自分の考えていたストーリーが完成直前で崩されたわけだから、自分を立て直すなんてことができるわけがない。王さんに打たれた瞬間、『は~っ』となりました」



■ボクは、このシーンをテレビで見ていたと思う。王が本塁打を打ったシーンはまったく記憶にないが、山田ががっくりと腰を落とし、まるで動けない様子だったことは憶えている。そして、その山田に近づき、そっと抱き上げたのが西本幸雄監督だったことも。

打たれた投手が動けないなんて、高校野球ではよく見るシーンだが、プロ野球ではとても珍しい。山田対王の名勝負。山田23歳、王31歳の時だった。

結局、日本シリーズは、この王の本塁打で流れをつかんだ巨人がその後も勝ち進み、4勝1敗で巨人が7連覇を飾った。



1387246608550.jpg

(写真)逆転3点本塁打を放つ王貞治。投手:山田久志、捕手:岡村浩二






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Last updated  2013.12.17 12:47:46
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