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あま野球日記@大学野球

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2013.12.22
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テーマ:日本野球史(134)
カテゴリ:日本野球史

前回の続き。 

 

■先日、大和球士著『野球百年』(時事通信社)には1971年(昭和46年)に関する記述がない、と書いた。しかし、それは私の早合点であった。ちゃんと2件について記載されていた。関係各位の対してお詫び申し上げます。さて、今日はその1つ、東映フライヤーズの「5連続本塁打」を。

大和さんは、前日まで9連敗中だった東映を皮肉交じりに、こう書いた。

「5月3日、東京球場で、ロッテ対東映5回戦が行われた。観衆約一万。東映はピリピリ。
-2勝14敗1分
の、さんたんたる成績であった。勝率1割7分6厘。監督田宮謙次郎が40歳代の若さなのに、にわかに白髪頭になったのは、この頃であった。弱いチームはやはり弱い、9回表、4点も負けていた」。



■ここで、この試合の8回までのスコアをご覧いただきたい。
東映  000 010 00
ロッテ 000 301 02

9回表、東映は大杉勝男のソロ本塁打が飛出したものの、すでに二死走者なし。4点差があっては、だれもが東映の10連敗を確信していた。

そして安打と四球で2人の走者が出るも、次打者の代打・末永の遊ゴロ。しかし山崎二塁手にトスされたが、山崎がポロリ。が、判定はアウト。そして、東映からの抗議であっさりと撤回。これは完全捕球しておらず前川塁審の完全なミス。

相手が9連敗中の東映、しかも4点差もある。ロッテは余裕をもって判定撤回を受け入れ、いったんベンチに引き揚げた選手たちが、あらためて守備位置についた。ところが、次第に妙な空気が漂い始めた。2本の連続安打と野選、エラーが続き、あっという間に東映が同点に追いついたのだ。その裏、ロッテは無得点で延長戦へ。



■あらためて大和さんにご登場願いたい。
「ここまででもご報告する値打ちはあった。とにかくいったんは試合が完全に終了したのに再開したのだから。
-幻の試合終了
とでも題をつければ一篇の野球奇談ができあがるだろう。実際は、幻の試合終了篇が片付いてから、日本新記録篇なる痛快無双の続編が登場することになる。

10回表、東映は二死満塁と攻め込んだ。次は9番打者、投手皆川(康夫)。思い切って代打に作道を立てた。安打の確率は低い。もし凡打に終わったら、10連敗か・・・、こんなことが頭を去来するから田宮の白髪は急増する。

代打の作道は、カーブを必死に打った。
-左翼ホームラン」


作道の代打満塁本塁打で、今度は東映が4点のリードを奪った。この一打で、東映は勢いづいた。続く大下(剛)、大橋(穣)、張本(勲)、大杉(勝)が連続して、いずれも左翼に本塁打を放ち、計8点を挙げて9連敗の泥沼から脱出に成功した。

(最終スコア)
東映  000 010 005 8 =14
ロッテ 000 301 020 2 =6



翌日の朝日新聞(1971年5月4日付)には、「貧打東映狂い咲き」「満塁含む5連続ホーマー」「ロッテと延長、9連敗のドロ沼脱出」などの活字が躍った(聞蔵2ビジュアルより、写真も)。そして、東映ナインの歓喜の様子を表す記事もあった。

「日本新記録の5連続本塁打、作道の今季パ・リーグ初めての代打満塁本塁打。東映はこれまでのウップンを一気に晴らすように打ちまくり、9連敗のドロ沼から脱出した。その喜びは金田が最後の打者を三振に打ち取ると、全員がウォーという叫び声をあげて、金田を迎え入れたことでもわかる。半田ヘッドコーチが『二死から奇跡が起こった。こういうこともあるんだぜ』といいながらロッカールームへ。引き揚げてくる選手たちの顔も晴々していた。前日までのうちひしがれ、いまにも泣き出しそうな悲壮さは消えていた」。


ちなみに5連続本塁打の記録は、現在も破られていない。今も日本記録のままである。


  • 2013.12.22 東映5者連続本塁打 003.JPG

(写真)10回表、東映・代打の作道が代打満塁本塁打を放ち生還する。ベンチから飛出し総出で作道を迎える東映ナイン 






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Last updated  2013.12.23 22:04:41
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