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カテゴリ:昭和期・新戯作派
『六道遊行』石川淳(集英社文庫) 長編小説をぜひ読んでみたいと思うときがあります。 案外、でもないですか、ご存じの方には「常識以前の認識」でありましょうが、長編小説の方が、短編集より速く読めますね。 文章の持つリズムのせいですね。 一つの作品に一つの文章のリズム。 われわれ読者は、一つの作品を読み始める度に、作品の文章のリズムと自らの読むテンポをシンクロナイズしながら進めていきます。 長編小説は、それがどんなに長くても、基本的に一つの文章のリズムです。 一方短編集は、10の短編があれば10のリズム。 一つ一つのリズムにシンクロするまで、その間、わずかにストレスが生まれます。一つ一つはわずかでも、10の短編ともなれば、結構なものですね。 だから、長編小説の方が、速く読めます。 さて、長編小説を読みたいと思うとき、もちろん、新刊書、中古書籍、どちらにしても、手に入れるべく本屋さんに足を運べばいいんでしょうが、いかんせんそんな時、「読書が骨絡みの趣味」ではない人に行き先を問われたりすると、ましてその人が女房だったりすると、 「買わんでも家に読んでない本が山ほどあるのとちゃうの。」と(女房も関西人なもので)言われてしまいます。 うーん、分かってないですよねー。 そんなの大きなお世話ですー、って。 でも、ま、しかし、「正義」より「平和」を愛する軟弱者の私は、さて、まだ読んでいない本は、えーと、本棚のどの辺に……、と、のそのそと探し始めるのでありました。 基本的に、かつて買ったまま読んでいなかった長編小説、できれば文庫本、と言うことで、現在その手の本が10冊ほど我が家で見つかりました。 えーーーっ、家に読んでいない本がたった10冊しかないのか、と言われると、いえもちろん、決してそんなわけではありません。 例えば『織田作之助全集全八巻』とか『開高健作品集10ウン冊』とか、それ以外にも読んでいない本は山ほどある(と思っていたんですが、案外そうでもないみたいです。ただ文学全集みたいなのはまるでだめですね。置いてあるだけ)んですが、上記条件でフィルターをかけていくと案外に残る本はそう多くありません。 (私って、文庫本は結構読んでいるんですねー。) というわけで、今回の読書報告は石川淳の上記本です。 一体この本を私はいつ買ったのであったろうか、そもそも石川淳を読むのはいつ以来であろうかと、読書記録を調べれば(数年前に一夏かけて「読書記録」をエクセルファイルにしたのでこれは便利)、ちょうど二十年前に『狂風記』を読んでいます。 うーん、もう二十年も前になるのかー。 この『六道遊行』も、きっとその前後に買ったに違いありません。 しかしその時に『狂風記』は読んだものの、続いてこの本は読まなかったところを見ると、私の二十年前の、ほとんど霧の彼方の、『狂風記』についてぼんやり残っている印象と符丁が合います。 つまり、「もーひとつ」という印象ですね。 しかし、石川淳と言えば、もうお亡くなりになりましたが、まー、押しも押されもせぬ大文豪であります。 そんなお方の作品を「もーひとつ」なんていうのは、何と大胆不敵というか、無知蒙昧というか、怖いもの知らずというか、そんなことを言えば、言う方が悪いに決まっていますから、全く困ったものですなー。 んー、短編集の『焼け跡のイエス』なんかの読後感は(これは二十年よりももっと前の読書ですが)、好印象で私の中に残っているんですがねー。 要は、今回はこの石川淳的なシュールさにちょっとついていけないというか、今ひとつ私としては興味が持てなかったということだと思います。 奈良時代と現代をタイムマシンのように行き来する主人公が、各時代の人間群像を批判的に評価していくといった内容でしょうが、もう少し設定を有機的に展開できたのではなかったかという気がしました。 主人公の絡みが少なく、全体としてやや薄味かなという印象であります。 うーん、石川淳、ちょっと、苦手、なんですかね。 よろしければ、こちら別館でお休み下さい。↓ 俳句徒然自句自解+目指せ文化的週末 にほんブログ村 /font> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.10.27 06:18:07
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