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2010.05.29
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  『山椒大夫・高瀬舟』森鴎外(角川文庫)

 この短篇集には、以下の五つの短編(後ろの二つについては、その「縁起」含む)が入っています。

   山椒大夫(T4) ・ 魚玄機(T4) ・ ぢいさんばあさん(T4)
   高瀬舟(T5)  ・ 寒山拾得(T5)


 それぞれの作品について、私は再読かそれ以上の回数を読んでいると思いますが、今回、古書店で見つけたこの本の解説を高橋義孝氏が書いていまして、その文章によって、初めてこの一連の短編が、晩年鴎外の小説から史伝への橋渡しになっているということを知りました。

 上記に発表年も書いておきましたが、鴎外の最初の歴史小説は、以前にも本ブログで報告したことのあります『興津弥五右衛門の遺書』で、これが大正元年になります。
 そして、『高瀬舟』等の発表された大正5年には、史伝『澁江抽斎』の連載が始まります。

 ということは、これらの作品は、えー? 鴎外にとってかなり意味のある作品群ってことになるではありませんか! (知らなかった。)

 ところで、上記の中では、どれが一番有名でしょうかね。
 えーっと、やはり『山椒大夫』でしょうか。

   安寿、恋しや、ほうやれほぅ。
   厨子王、恋しや、ほうやれほぅ。


 なんてフレーズを、私は音程を付けて何となく口ずさむことができるんですが、これって、何の「メディア」に出てきた曲なんでしょうか。
 初期のアニメかしら?

 そんな『山椒大夫』を初めとして、『高瀬舟』については、多分中学か高校の教科書で読んだような気がするんですが、記憶がはっきりしません。しかし、初読はきっとそんなところでしました。

 『寒山拾得』については、あれは誰の日本画なんでしょう、坊っちゃん刈りの、汚らしそうな服を着て、へらへら笑っている二人の「がきんちょ」の絵。

 どうも最近、記憶が断片的になってしまって、話したいことがどんどん隔靴掻痒。加齢のせいで日に日に愚かになって、全く困ったものです。

 ともあれ、そんな風に断片的に個々の作品には以前から触れていたんですが、今回高橋氏の文章から、これらの作品はセットで読むべきであるとのお教えをいただき、なるほどと思いつつそのように読んでいくと、なるほど、吉田兼好は偉いなーっ、と。

 えっ? また話が本線から外れていますか?
 いえ、「何事も先達はあらまほしものなり」という例の一文を実感したという話であります。
 この様にセットで、かつ、これらの作品を機に鴎外が史伝の世界に行ってしまったのだというテーマを頭に置きつつ読んでみると、俄然、よくわかるんですねー。
 うーん、全く、偉いものです。

 実はそんなことを知る前、この本を手に取ったときの僕のテーマは、密かにこんな事を考えていたんですね。

 ポイントは、『高瀬舟』と『寒山拾得』である、と。
 『高瀬舟』については、「安楽死」テーマをもう一度精査してみる。実際の所、鴎外は安楽死をどう思っていたのだろうか、と。
 そして、『寒山拾得』については、前回読んだときの記憶では、狐につままれたような読後感であった、と。早い話がさっぱり分からなかった、と。
 今回、より読解力のついた(!)私が、読みなおしてくれん、と。

 と、まぁ、あれこれそんな「テーマ」を持ちつつ読んでみたら、上記のように俄然よくわかったことと、それから『高瀬舟』については、読み誤っていたとまではいきませんが、なるほど、鴎外の意図とそしてできあがった作品とは、こんな関係にあったのだなということが、私としては非常に納得できる形で浮かび上がってきました。

 これだから、やはり、再読は大切なんですよねー。
 と言うことで、詳細は次回に。


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Last updated  2010.05.29 15:59:09
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七詩@ Re:父親という苦悩(06/04) 親子二代の小説家父子というのは思いつき…
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