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カテゴリ:昭和期・新興芸術派
『山椒魚・遙拝隊長』井伏鱒二(岩波文庫) 今少し調べてみたら、井伏鱒二が亡くなったのは1993年(平成5年)なんですね。 もうそんな昔になるんですねー。 ちょっと感慨があったついでに、もう一人の作家の死亡年を調べてみたら、なんと同じ1993年だったので、少しびっくりしました。 同年に亡くなっていたんですねー。 「もう一人の作家」とは誰のことかと言えば、安部公房ですね。 そして私の連想が、なぜ井伏鱒二から安部公房に移ったかといえば、それは「ノーベル文学賞」がキーワードであります。 私の記憶の中では(「私の記憶」というのがまた、よく間違っているんですねー。我が事ながら、どーも信用がおけない。)、そのころ、どの程度近かったのかは知りませんが、日本の文学者の中で最もノーベル文学賞に近いと噂されていたのがこのお二方ではなかったかと、ぼんやり記憶するのであります。 でも、このお二人って、作風が全然違いますよね。 このお二人とノーベル文学賞の話を聞いた時、私もそう思いました。 しかしその疑問は、このお二人が亡くなって後、大江健三郎がノーベル文学賞を受賞した時(1994年です! 後一年、どちらかが長生きしていれば、ひょっとしたら日本人二人目のノーベル文学賞受賞者は変わっていたかも知れませんね。事実大江健三郎は、受賞後のコメントで、私の所に賞が回ってきたのは、安部公房が亡くなったからだという趣旨の発言をしていたと思います。)、氷解しました。 なるほど、「川端-井伏ライン」と「公房-大江ライン」というのが、その頃の外国から見て、わかりやすい日本文学理解なのかなと思ったわけですね。 えー、話を冒頭に戻します。 井伏鱒二亡くなり、すでに18年であります。 去年でしたか、私は、ある大学の社会人講座を聞きに行ったのですが、その時の講師の先生が、井伏鱒二とか川端康成とかが専門(昭和初年代がご専門ということですかね。)ということでした。 その先生が、こんな内容のことをおっしゃいました。 「井伏鱒二も既に亡くなって年月が経ち、文庫本もどんどん絶版になっていってます。井伏鱒二の研究なんかしていても、この先「需要」がなくなっちゃうんじゃないかと思えて、とても淋しいです。」と。 なるほどね、研究者というのも、なかなか大変なんだなと、その時私は思いました。 「需要」がなくなっちゃうと、きっと研究室に付く予算なんかが変わってくるんだろうな、と。 (しかし理系の研究なんて、もっと即物的に研究対象とマネーが直結していますものね。) 確かに、そもそもが「地味ー」な感じの井伏作品であります。 (例外事項が二つありますね。ひとつは、この後少し話題にする『黒い雨』です。井伏の代表作であると同時に、戦後昭和文学の代表作とされています。井伏鱒二をノーベル文学賞に近づけた勲一等はこの小説でありましょう。そしてもう一つの事柄は、井伏鱒二が太宰治の師匠筋に当たるってことで、これは「弟子の七光り」ですね。持つべきものは派手な弟子であります。) そんな井伏氏ですが、没年を真ん中に、前後二回ほど、文壇関係か出版界関係かな、多分少し話題になったことがありました。この二つの件ですね。 (1)1985年・『自選全集』の出版。 (2)2000年・猪瀬直樹著『ピカレスク』の出版。 実はわたくし、井伏作品については、本ブログで今まで三回取り上げています。 その中で上記「(2)」については、少し触れました。井伏の代表作のいくつかが(主に挙がっていた作品は、『山椒魚』『黒い雨』『厄よけ詩集』『ジョン万次郎漂流記』などであり、これは本当に、ほぼ井伏の代表作総てでありますねー。)、「剽窃」すれすれである(はっきり「盗作」と書く方もいるようです)という内容でありました。 しかし、本作品の発表によって一気に井伏鱒二の評価が落ちたかと言えば、どうもそうではないらしいことを、後日猪瀬直樹がまた書いています。 井伏の権威が、まだ文壇内に広く行き渡っているからだ、というようなことが書かれてありました。 (1)については、次回に。 よろしければ、こちら別館でお休み下さい。↓ 俳句徒然自句自解+目指せ文化的週末 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.06.11 10:23:30
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