【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

近代日本文学史メジャーのマイナー

近代日本文学史メジャーのマイナー

Calendar

Archives

Recent Posts

Freepage List

Category

Profile

analog純文

analog純文

全て | カテゴリ未分類 | 明治期・反自然漱石 | 大正期・白樺派 | 明治期・写実主義 | 昭和期・歴史小説 | 平成期・平成期作家 | 昭和期・後半男性 | 昭和期・一次戦後派 | 昭和期・三十年男性 | 昭和期・プロ文学 | 大正期・私小説 | 明治期・耽美主義 | 明治期・明治末期 | 昭和期・内向の世代 | 昭和期・昭和十年代 | 明治期・浪漫主義 | 昭和期・第三の新人 | 大正期・大正期全般 | 昭和期・新感覚派 | 昭和~・評論家 | 昭和期・新戯作派 | 昭和期・二次戦後派 | 昭和期・三十年女性 | 昭和期・後半女性 | 昭和期・中間小説 | 昭和期・新興芸術派 | 昭和期・新心理主義 | 明治期・自然主義 | 昭和期・転向文学 | 昭和期・他の芸術派 | 明治~・詩歌俳人 | 明治期・反自然鴎外 | 明治~・劇作家 | 大正期・新現実主義 | 明治期・開化過渡期 | 令和期・令和期作家
2014.01.27
XML
カテゴリ:昭和期・歴史小説

  『播磨灘物語』1~4・司馬遼太郎(講談社文庫)

 時々ふっと、この筆者の蘊蓄というかお説教というか、ご隠居話を聞きたくなる時があります。何と言っても博引旁証でいらっしゃる上に、語り口が何とも暖かみがあってとってもよろしい。例えばこんな感じ。

 ちょっと、筆を休めたい。
 二十年ばかり前、ふと思い立って、播州の三木という町に行ったことがある。
 三木というのは別所氏が亡んでのちは、城下町ではなくなったから、町並などもごく雑駁で、古城趾をとりまいて雑貨、洋品などを売る商店街があるのがめだつ程度だった。


 とか、

 信長というのは、大空に石を高く投げて高鳴りさせるような精神の響きを感じさせるところがあって、そのことは、かれが精神の重大な一点において理想のもちぬしであったことと無縁ではない。
 が、その現実的計算の面だけを見れば奸物としか言いようがない。


 二つめの文章のような表現は作品中至る所にあるのですが、よく考えてみると、こういった断定はいったいどうしたらできるんですかね。
 まー、今となっては誰も信長に実際に面会したことのある人はいないわけですから、様々な文献を読んだ後言ったもん勝ちみたいなところはありますわな。
 でも、私だったらとってもこう断定的には書けません。
 うーん、たぶん、学識に裏打ちされた自信なんでしょうかねー。

 ま、しかし、筆者のこんな蘊蓄話を読みたいだけならば、随筆集のたぐいは沢山出版されていますね。代表的なものは新潮文庫から『司馬遼太郎が考えたこと』というタイトルで15冊にまとまっています。
 この本もとっても面白いですが、さすがに5冊くらい読むとちょっと飽きます。(その代わり、その5冊は一気に読めます。)
 だから私は、3期くらいに分けて、間に1年ほどを2回挟んで読み切りました。

 さて冒頭の4冊の小説ですが、だいぶ前に一冊105円で買ってずっと読んでいなかったものであります。
 わたくし、兵庫県の生まれなもので、別に郷土意識の強い人間ではありませんが、なんとなく知った地名の小説作品は集めるともなく集まったりしています。

 話は飛びますが、大学時代、東北地方出身の友人から(もちろん酒でべろべろになった後の他愛ない話でありますが)、おまえは関西人だから関西がらみの文学を研究する義務があるみたいなことを言われまして、そもそも頭の作りがアバウトにできていた私は、なるほどとあっさり納得し、アルバイトでお金を貯めては『織田作之助全集』とか『武田麟太郎全集』とか『開高健作品集』とかを買ったのですが(西鶴の全集も買おうと思ったのですが、ちょっとビビッてやめました)、どの全集も完読できていません。

 というわけで、我が家には冒頭の小説があったのですが、今回それを読むに至ったのは、やはりNHKの大河ドラマのせいでしょうかねー。
 わたくしは人間が軽いわりにはテレビから影響を受けることはきわめて少なく、というよりそもそもほとんどテレビを見ませんので影響を受けようもないんですが、それでも今年の大河の主人公が黒田官兵衛であるくらいのことは存じ上げ、そしてついふらふらと『播磨灘物語』を手に取ったという顛末でございます。
 やはり、大河ドラマで取り上げられると、思わぬところに需要が生まれるものですねー。偉いものです。(といって今回の私においては、何ら経済活動に寄与はしていませんが。)
 
 さて、やっと内容についての報告でありますが、読みながら、あーそーだったよねー、と思い出したのですが、そして冒頭に書いた司馬じいさんのご隠居話についての感想とは少々矛盾するかも知れませんが、よーするに、まー、とっても長いお話ですわ。

 『坂の上の雲』を読んだ時も『龍馬が行く』を読んだ時も、『菜の花の沖』の時は特に強く感じたのですが、ちょっとながすぎません? という印象であります。
 一方で官兵衛の一生を描いたとすると、後半から終盤の分量バランスがとってもいびつであります。信長の死以降が極端に短く、秀吉が明智光秀を滅ぼして後は、わずか一章分で一気に書き上げています。(今数えてみたら全部で36章ありますから、そこは1/36の分量ですね。)

 これはなぜなんでしょうね。
 私の想像に余るんですが、やはり何かあるんでしょうね。
 きっと作品の必然性以外の何かがあるように思います。しかしそもそも大河歴史小説には、そんな性格があるのかも知れませんが。(ふっと頭に浮かんで、いやいやこれを明示してはいけないだろうと思ったのが時代劇の『水戸黄門』でありますが、……あ、書いてしまった。)


 よろしければ、こちら別館でお休み下さい。↓

 俳句徒然自句自解+目指せ文化的週末

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2014.01.27 12:58:19
コメント(0) | コメントを書く
[昭和期・歴史小説] カテゴリの最新記事


PR

Favorite Blog

ファニー・ブロイニ… New! シマクマ君さん

やっぱり読書 おい… ばあチャルさん

Comments

analog純文@ Re[1]:父親という苦悩(06/04)  七詩さん、コメントありがとうございま…
七詩@ Re:父親という苦悩(06/04) 親子二代の小説家父子というのは思いつき…
analog純文@ Re:方丈記にあまり触れない方丈記(03/03)  おや、今猿人さん、ご無沙汰しています…
今猿人@ Re:方丈記にあまり触れない方丈記(03/03) この件は、私よく覚えておりますよ。何故…

© Rakuten Group, Inc.