多分、1999年春くらいの事だったと思うのですが…
上海留学を終えて帰国して約3年。
中国関係の仕事に就いてはいたものの、
ベテラン営業の語学力に驚き。
毎日山ほど来る手書きFAX解読に眉間にシワを寄せ。
中文メールでもアップアップ…
正直な所、この頃の私の実力は:
ヒアリング:そこそこ
読解:そこそこ
作文:う~ん…正式文書以外なら…
会話:受け答えはOKだけど、語彙数が足りず、言葉がなかなか出てこない
発音:OK
という実践に使うには、まだまだ修行が必要なレベル。
たまにある来日中国客アテンドでも、技術用語が分からず
中国客からは
「他の通訳いないのか!!」(本気で言われた 涙)
「中国文学分からないの?」(バカにする感じで 涙)
「こんな言葉も知らないのか!?」(たまたま思い出せなかった 涙)
等と容赦ない言葉を何度か浴びせられ
「あ~私は一体、留学先で何をやってたんだろうか…」と
非常な挫折感を味わっておりました。(それはもうキツイものでした…)
秘かに将来は日中通訳になろう、なんて思っていた私は。
こ、こ、こ、こんな状態じゃ、いかん!!
非常に焦燥感を感じ。
中国語教室をいくつか見学に行きました。(3つくらい行ったかな?)
でも、な~んか仲良し教室みたいな感じで。
なかなか、これは!と思う教室もなく。
丁度、定期的に会っていた大学時の後輩にこぼしていたところ、
「あ、私、いい所知っていますよ。先生は殆ど華僑の中国人で。
通訳の人達なんですよ、で、ビシビシやってくれますよ」
そうなの?
ビシビシっていうのが、ちょっと怖いけど(汗)
通訳の人達がやってる教室。
見学くらい行ってみるかな・・・
と思い立って行ってみたのが、大阪難波に新しく出来た中国語教室。
初級・中級・上級とありました。
私は中級を見学。
緊張感漂ういい雰囲気。
教科書かなにかの暗誦をやっておりました。
陳先生(また陳さんだよ^^;;)と言う50歳前くらいの女性校長がいて。
中国人らしい目鼻立ちが大きい顔立ちで、恰幅のいい体格。
声が大きくてハキハキしてる。
まあ今まで見た教室の中では一番厳しそうだったので、
自分にカツを入れる為にも
報名(申し込み)しました。
最初の授業で、カセットテープを1本渡され。
何するんですか?
先生 「毎週一課ずつ『テープ起こし』してきて下さい。」
はいはい、テープ起こしね。
【家で】
テープスタート!
<第一課 買車票、門票 (第一課 切符、入場券を買う)>
去中国旅遊,如果有導遊陪同的話,・・・
(中国旅行に行って、もしガイドがついていれば・・・)
あ、ちょ、ちょっと待って。ストップストップ!(テープを止める)
え~と、去、中国旅遊…如果有……何だっけ?
もう一回…あ、有導遊陪同的話,…陪同って、どんな漢字だったっけ?
(慌てて辞書を取りに行く)
あ、あった、あ~こんな字だっけ…
はいはい、次…
【1時間経過】
第一課が終わらない…
テープは<会話1>なんて、続いてるし…
何じゃこれ!!
テープ起こしなんて、すごい時間かかるじゃない!!
ちょっと、これは…(汗)
【3時間後】
やっと終わった…
長かったな~…(汗)
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次の授業では、皆でテープ起こしした文章を発表し合い、
最後に、第一課のテキストを配ってくれました。
普通に読んだら3分の文章が…
テープ起こししたら3時間かかったぞ…(-。-;;
授業も終わりに近づいた頃。
「今日の宿題ですが、本日答えあわせした第一課を
来週暗誦しますので、全部覚えて来て下さい。
それと第二課のテープ起こし、と。では皆さん、辛苦了!再見!」
え??
何ですって??
第一課を全部、覚えて来いって?
暗誦するって?
尚且つ第二課のテープ起こし??
こりゃ、大変だ~!!!
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その日から、
会社から帰ってきたら、テープレコーダーとにらめっっこ。
飽きたら、前の課を覚える…
晩御飯を食べると眠くなってしまうので、
その内、食事も採らずに勉強する事になりました。(この頃から激ヤセ)
なんぼやっても、一日2時間は勉強しないといかんのだけど。。。
元々怠け者の私には、
こんな受験生みたいな生活は続けられず(ついていっている同学もいた!)
授業でもトンチンカンな事ばかり発言:
陳先生 「銀行のパスワードは『密ma』、ではパソコンのパスワードは?」
と私の顔を見る。
え?一緒じゃないの?でも、先生が敢えて聞くんだから…
私 「…(悩)…ナ、脳ma…ですか…?」(小声)*電脳の密maだから。
陳先生 「なあ~に、それ~(怒)『密ma』でしょう~!」
私 「・・・・・・・(落ち込み)」
先生は笑ってもくれず。
段々、私の自信は失われ
その内、休みが多くなり、典型的な落ちこぼれ・・・(涙)
陳先生は通訳という職業柄か、発音を重視していました。
「発音だけ」は良かった私は、恐らく、少し気に入られていたようで。
何度か通訳の手伝いをしてほしい、と言われたのですが。
「滅相もございません!!」と断っていました。
そんなある日、
陳先生から
「今度、通訳の仕事があるんだけど、勉強しに来なさい。」と、また言われ。
既に何度も断っていて、そろそろ言い訳も尽きた頃だったけど。。
しかも
この通訳の仕事は日中の電力会社の会議通訳。
ええ~~~!!
そんな無理です、私なんて。絶対、役に立ちません!!
と(また)断った。けれど
「あなたは助手だから」と言う事で…怖かったけれども、参加する事にしました。
果たして「本職通訳の実力レベル」とは…
つづく。
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今回は、小話で、短めです。