≪白タク運転手夫妻の場合 2.≫
金小姐は女性一人で駐在している私を気遣って、よく晩御飯に呼んでくれました。
「小さい家だけど内装工事したから」
と呼ばれて行った先は。
先ずドア。
分厚くて防犯カギつきの板チョコみたいな(分かります?)茶色い立派なのが。
「1000元を800元に値切ったよ」
自慢げな金小姐。
中に入ると。
ピカピカのフローリング。
綺麗にしてるな~!!!
子供部屋、寝室2部屋、居間、キッチン、食堂。
80平米くらいだった。
十分じゃない?3人なんだから。
「王偉!(ワンウェイ)」
と呼ばれて出てきたのは、中3の息子。
可愛い顔立ちで、スタイルもいい子。
恥ずかしいのと、それを隠そうとしてか仏頂面になってる。
思春期ってヤツね~(久しぶり)
「ニーハオ!」やや緊張の私。
「ニーハオ…」 と王偉。声小さいな~^^;;
金小姐は「ちょっと待っててね」と料理を作り始めた。
約30分ほどで、手作り料理が食卓に並んだ。
「簡単すぎるけど」
と言う割には、スープ・野菜・肉・魚あって、とても美味しそう。
王偉はお皿並べたり、お茶碗に御飯よそったりするのを手伝って。
いい子じゃない?無口だけど。
「何か話してやってよ」と金小姐が言うので
(^^;;
「身長いくつくらい?」
「勉強難しい?」
…しょーもない質問をしてしまう。
だって中3の初対面の男の子に何話すよ!?
しかも、中国人に!!
王偉は
「1米7(170cm)」
「難(難しい)」
って単語しか言わないし…
盛り上がらね~…^^;;;
横では金小姐が「食え、食え」言ってるし。
この家、気ィ遣うわ^^;;
後片付けの時には旦那も息子も皆、手伝ってお片づけしてました。
(私が手伝ったら「客は駄目!」と怒られた^^;;)
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こんな風に何度か(強引に)呼ばれて、この家族と一緒に食事をしたけど。
息子はホントに喋らない。
主に母親(金小姐)が
「勉強しないと」「高校どうするの!?」「ちゃんと食べなさい」
と、一方的に話すのが多かった。
旦那(王先生)は黙々と食べてて、時々
「そうだ。勉強はガンバレよ」と言う。
王偉は聞いてはいるけど黙って食べてる。
「分かった?」と聞かれれば「ん」と短い返事。
食も細い。
茶碗一杯の御飯とおかずをかきこんだら、すぐにテーブルを離れたがる。
好き嫌いも多いらしい。何でも太りたくないとか。
な~んか
日本の家庭とあんまり変わらない感じだった。
気になったのは王偉。
思春期でも会話する子はする。(ウチの弟はベラベラ喋ってた)
あまりにも大人しくないか?
両親は運転手だから、客に呼ばれれば
朝でも夜でも出かける。
食事中に電話が入って、旦那が急いで出かけるってのもよくあった。
この息子、昼間は学校から帰ったら一人だな。
この家は祖父母はいないし。勿論1人っ子だし。(1人っ子政策で)
日本だったらカギっ子ってやつ?
日本だったらさ、寂しくて非行に走る、とか、さ(何となくの主観的イメージ)。
いつか何かあるんじゃないかな~と。。。。
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「最近、王偉不好(最近、王偉が良くない)」
と金小姐がこぼすようになったのは、そのすぐ後くらいだった。
「怎麼不好?(どう良くないの?)」と私が聞くと
「不学習,総是和朋友一起玩(勉強しない、いつも友達と遊んでる)。
他有一個朋友,他的父母親也不是很好(彼の友達は両親も良くない)」
「ふ~ん・・・」
この調子で家でも王偉にブチブチ言ってるんだろ~な~
親が友達をけなすのは、ウチの弟は嫌がってたけどな~…
こういう事は、言わない方がいいんだけどな~
そうこうしていた、ある日。
「ちょっと頼みがあるんだけど」
と金小姐が言う。
「何?」
「王偉に、ちょっと言ってやってほしい」
「何を?」
「勉強しろって、しっかりやれって」
「ええ~!!」
そんなもん、自分で何とかしーよ。
私が他所の子にどうこう言えるかいな。
でも「話しかけても反応ない」「やるだけやった」「お願い!頼む!」と言われ、
しぶしぶOKしてしまった。。。
いつものように晩御飯食べに来た時に
言ってやってほしい、と。
思春期の男の子に物申す?
しかも中国の子に!?
大丈夫かな…(大汗)
つづく。
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この話は【五】吃喜糖・・・世代ギャップの続きです。宜しければ、どうぞ^^