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2006.01.18
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カテゴリ:おじさん
そこは、おじさんが一人で営む、街の洋食屋である。
厨房を囲むカウンターと、小さなテーブル数席の小さな店だが、すべてをおじさん一人で行うには、大きすぎる。

まず、ここは「料理を作る」以外のことは、ほとんどお客でしなくてはならない。
お水を自分たちでいれるのはもちろん、オーダーも手元にある伝票に自分で書き込む。
「あ~、ナスのグラタンは、時間がかかるから、もうオーブンに入れておいたで」
まだ、ナスのグラタンを頼むと決めていないうちからの、フライング攻撃である。仕方がないので、伝票に「ナスのグラタン」と書いた。

次にグレープフルーツジュースを頼んだ。
「あ、切れてるわ。ちょっと買ってくるから、ここ見ておいて」
そういい残すと、おじさんは疾風のように店を飛び出し、すぐに缶ジュースを手に戻ってきた。
どうやら、近くの自販機で買ってきたらしい。
直接そのジュースを受け取った私は、それを自分でグラスに注いだ。

料理自体は、とてもおいしかった。
なので、店は繁盛している。
主に若い女の子たちで、次々と席が埋まる中、私たちは無駄口を叩かず、さっさと食事を済まさなければならない。

食事が終わると、食べ終わった皿は、そのまま重ねてカウンターに乗せておく。そうするとおじさんは、おもむろに言い放つ。

「混んできたから、食べたら早く帰ってや」

私たちは、おじさんの言うとおり、さっさと清算を済ませ、こう言うのである。

「おいしかった! おっちゃんまた来るわ!!」





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Last updated  2006.01.18 13:06:14
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