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カテゴリ:お兄さん
とても感じの良い警察官に会ったことがある。
大体、警官に対する私のイメージはよろしくない。 特に悪いことをしていなくても、彼らが近くを通ると何だか緊張してしまう。 と同時に「文句あるんなら、かかってこんかい!」もしくは「しょうもないことしたら、絶対見逃さへんからな!」という、挑戦的な感情も芽生える。 無駄に偉そうな態度や、高圧的なものの言い方に 「お前らの給料は、私らの税金から払ってんねんぞ! この給料泥棒!!」 みたいな、反抗期の中学生ばりの理由なき反抗心が、沸々と音を立てる。 数年前、すてきな警察官に出会った。 旅行先での出来事。 広島で「原爆ドーム」に立ち寄った。今まで行った事がなかったので、一度きちんと見ておかなくては、と思ったのだ。 レンタカーで旅していたため、駄目だとは思いながら、近くの道路に路駐した。 ドームや資料館を一通り見終わり、「平和って大切だね~」なんて話しながら歩いていると、我らの車の横に、今まさに切符を切らんとしている警察官を発見した。 あわてて車まで戻り、一か八か謝ってみた。 通常、このような状態に陥ると、見逃してくれる警察官は皆無らしい。 しかし、30歳手前くらいの若い警察官は、 「ちょっと待ってね。あなたたちだけ見逃したら、問題あるからね」 と言って、お話を始めた。 やっぱり駄目か… そう思ったとき、 「いちおう、調書取ってるフリだけするから、免許証見せてくれる?」 そういうと、彼は何やら書類を取り出し、いろいろ書いている「フリ」をしてくれた。 「すいません。これから気をつけます」 そう言った私たちに 「わしみたいな、クソポリコウになんか謝らんでええよ。でも、ここに車止めてたら、他の人が迷惑するでしょう。その人らに謝ってくれたらええ」 ゆっくりした穏やかな口調で言われたことで、余計に堪えた。 「夕方で、車通りも少なかったし、そうやって、わしらみたいなクソポリコウに謝ってくれてるし、今回はいいよ」 そう言って、調書をとるフリを続けてくれた。 最後には「おいしい広島焼き」の店まで教えてくれた。 本当に反省するのは、このような警官に出会ったときだ。 その後、広島焼きを食べに行った私たちは、きちんと駐車場に車を止めた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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