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カテゴリ:おじさん
以前通っていた文学学校で、一年間本名を明かさなかった人がいた。
最初の自己紹介のときから 「事情があって、本名は言えませんので、ペンネームで呼んでください」 と言い放った。 何だか、本名を名乗ると、誰かに消される勢いの警戒した口調であった。 年の頃は、40歳過ぎか。 病気療養中(これまた、病名は秘密)のため、この講座をリハビリ代わりにしたいという。 小説を書く講座がリハビリになるなんて、どう考えても心の病である。 見た目は、はっきり太っちょの、ちょび髭である。 イメージは、「裸の大将・ちょい悪版」といったところか。 毎回、紺色の作務衣を着ての登場に、ちょっと「職人」を意識しているのか、と思わせる。 激しく汗っかきなため、真冬でも首にタオルを巻いていた。 机には、いつも500mlのペットボトル2本が置かれていた。 イントロダクションだけでも、これだけの説明を要する彼は、一年間、私たちのクラスを、いろんな意味で、かき乱した。 彼の暴れん坊ぶりは、次回以降に持ち越しにしようと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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