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カテゴリ:おじさん
思わぬ連載になってしまった、本名を名乗らない人の話も、今日で終わりにしたい。
今回は、彼の所業の一部をご紹介したいと思う。 前回、彼の主な作品は「エロ小説」だ、と紹介した。 最初は、とても難しい言葉を並べた、難解な作品を書いてきていたので、 「もう少し、分かりやすい文章で」 という批評を多く受けていた。 しかし、それは「ややこいけど真面目」という印象を与えることにも通じていた。 ちなみに、彼の他人への批評も辛口だった。 すぐに人の文章を直したがり、 「私なら、ここは○○○…と書きます」 と、いちいち「自分なら」の文章を披露していた。 しかしある日、たまたま事務室に行ったとき、1人の女性が 「陸さんから変な作品が送られてきた」 という相談をしている現場に遭遇した。 どうやら、一部「詩」の講義を担当している講師のところにも、同じものを送りつけていたらしい。 彼女は「どんな内容かは、口に出すのも嫌だ」と言っていたが、翌週クラス全員にその作品が配られたので、私にも知るところとなった。 桜の木の下で、若い女子が犯されるポエムでしたけどね。 なんだか、そんなエロポエムが、3編くらいあっただろうか。 クラスメイト一同ドン引き。 それまでは、彼への批評も、言葉を選んでいた私だが、これ以降の「エロ小説」に関しては、かなりの勢いで滅多打ちにした。 最後のほうは、主人公が出てきた登場人物と、ことごとくヤッちゃうような作品ばかりだった気がする。 後に、私以外の女子には、メールや手紙等が、毎日のように送られていたらしいことが発覚したときに、うれしいような、ちょっと差別されたような、複雑な気持ちになった。 講座が後期に入るとき、1人の男の人が、違うクラスに移ると言った。仕事の都合で、その曜日に来れなくなったと言うのだ。 その人は、とても批評が的確で、皆が一目置いていた人だっただけに、私としても、とても残念だった。 しかし、この講座を終了して2年になるが、先日、今さら発覚した事実があった。 このおじさんが、クラスを変わったのは、どうやら陸のせいだったらしい。 私と同じく辛口だった彼は、陸の作品も私以上の勢いで、滅多打ちしていた。 きっと私たちが知らないところで、何かがあったのだろう。 私は批評のとき以外、いっさい彼とコンタクトを取ることを無視していたので、このような目に遭わなくてすんだのかもしれないが、もし何か、彼の逆鱗に触れるような発言を繰り返していたら…と、今さら背筋が寒くなったのものだ。 クラスを変わるほどの何が、彼らの間にあったのかは不明だが…。 ちなみに、陸は自らを「小生」と言っていた。 最後に友達あてに送られてきたメールに 「小生は作家になることを決意しました」 って書いてあったらしい。 「今後も作品交換してください」 みたいな内容だったらしいが、彼女は怖いんで、無視し続けたらしいけど。 小生、今頃どうしてるんだろうな~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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