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カテゴリ:おじさん
梨狩りに行った。
バスで鳥取まで行く、日帰り強行ツアーだ。 「狩り」自体は、たった35分しか与えられず、なんだかおもちゃのプラスチックナイフを与えられ、 「こんなもんで皮剥けるか!!」 的な動きをしながら、命がけで3個食べた。 急いで食べたので、手やジーンズに果汁が滴り、ベタベタになってしまったのは、不本意であったが、3個目のときには、かなり上手に皮を剥けたので、妙な満足感もあった。 で、オプションについていた、島巡りクルージング(1200円が800円になり、お土産にお饅頭5個もらえるというお得品)なるものに参加したのだが、その船の船長が、強烈だった。 「みなさま~、ほんじつは~、○○にご乗船いただき~、まことに~、ありがとう~、ございま~す」 イメージは、気持ち悪い電車の車掌みたいな感じ。変な抑揚と妙な伸びを交えながら自己陶酔の世界でやっちゃう、あのパターンである。 私の席から、運転席が見えたので、思いっきり首を伸ばして、見上げたところ、雛鳥のごとく、フワフワにハゲ散らかした頭髪に、グラデーションの色めがね(決してサングラスではない)で、ニヤニヤしながら(決してニコニコではない)運転していた。 俳優の西村雅彦をさらに胡散臭くした感じというえば、分かりやすいだろう。 その怪しい放送と、浮ついた口元に、 「この人に、命を預けても大丈夫だろうか」 という疑問がわいてきた頃、波が荒くなり、船が激しく揺れ始めた。 「人間は~、恐怖やストレスを感じたとき~、大声を出すことで~、それを解消しようとする本能が~あります~。船が揺れたとき~、我慢せずに~声を出して頂いたほうが~、酔わないと思いますので~…」 相変わらず船長は、ニタついている。 わざとか! おもしろがって、わざと揺らせいてるのでは、との疑惑が決定的になったのは、次の一言である。 「なので~、皆様がお酔いにならないよう~、私わざと~、甲高い声で~ご案内~させていただいております~」 口調を伝えられないのが、もどかしい。 胡散臭くて、キモイぞ!! 船内もちろん大爆笑。 調子に乗った船長は、さらに続けた。 「ただ~、私の声が~、ストレスに感じられる場合は~、大きな声を出して~我慢してください~」 もう島巡りなんてどうでもよかった。 その後の私は、船長の一言一句が聞き逃せなくなった。 出会いとは、こういうもののことを言うのであろう。 世の中には、まだまだ未発掘の逸材が、数多く埋もれているのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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