また母がやらかしてくれた。
昨日、久々にビリー師範代の門を叩いたとき、前代未聞、未曾有の衝撃事件を起こしてくれたのだ。

暑すぎた夏にバテていたため、これ以上の苦行に耐えられないと封印していたブートキャンプ。
そろそろ涼しくなったし、肩こりがひどいのは運動不足もあるだろうと、妹を誘い数ヶ月ぶりに入隊した。

キツかった。
正直こんなにキツかったっけ…と何度も弱音を吐いた。

「ビリー！　このタイミングから連続腹筋技は無理～～！！」

何度目かに叫んだとき、やはりビリーに悪態をついていた妹が

「これはビリー的かわいがりやから」

と教えてくれた。

かわいがり！

確かに。


で、そんなこんなでビリー的かわいがりタイムも終わり、最後に集合してありがたいお説法を聞いていたころ…

突然母が部屋に入ってきた。
そして何も言わず、私と妹の間に入り、おもむろに手を握ってきた。

ま、まさか……。

「ヴィクトリー！！」


母は私達と一緒に両手をあげて叫んだ。
ちなみにお説法の最中は、肩で息をしているフリをしていた。

全くトレーニングには参加してないのに。

久々にヤラかしてくれたな…。
さすが我母…。

天才！！