「えぇ~、ちょっと待って!
うそっ!あわわわわ、どうしよう~」。
目が三重にとび出る位かなり焦った姉男。
なぜって?
家に帰るのにバスに乗ったら、財布に150円しかない。
バス代は200円。あと50円足りない...。
調子に乗ってワインや本などをゴッソリ買い込み、財布の中身を確かめずにバスに乗って、ビックリ!大慌て!
ダメダメ、だいの大人が
「コレしかないんです...」というワケにもいかないし
ダメダメ、
周りの知らない人に借りるのも新手の詐欺だと思われたら困るし、
どうしよ、どうしよと考えている間に
降りる停留所まであとひとつ...。
そこで舞い降りてきたひらめきっ
「小銭入れのポッケに畳んだ2000円札があったよ~!」
何かのために...と、入れたのもかなり昔過ぎて忘れるくらい前、
入れてあったんです。
偉い!自分!
それを崩し、何事もなく200円払ってバスを降りました(ほっ)。
...と、前置きが長くなりましたが、
そんな事が起こる4時間ほど前はイタリアワインの試飲会。
今日も2008年~2010年まで(一部06年)のヴィンテージで、
16種類。
白よりも赤が多く、土着品種やビオ(※1)のワインが結構あってヘビー級。
もちろん、イタリアワインだからアルコール度数も高い。
強烈度ナンバーワンは、イタリア・ヴェネト州の自然派生産者、
「ラ・ビアンカーラ」の造るビオの白ワイン
「イ・マシエリ」2010。
同じラ・ビアンカーラの白ワイン「サッサイヤ」の弟分のワインで、有機農法+一部ビオ。酸化防止剤無添加。
品種はガルガーネガ60%、トレッビアーノ40%と、
いつもよりガルガーネガの比率が低めみたい。
グレープフルーツ、リンゴといった果実香や果実味はするものの、
舌がビリビリする力強い酸とピーナツの殻のような茶色い雰囲気。
こんな味わいだっけ?
以前飲んだ時はもう少し印象が違ったような...。
ビオのワインは不思議なもので、「酸化している」と放っておいたら味わいがキレイになっていたりと、なかなか一筋縄ではいかないものもあるんです。
昔、同じ生産者の「サッサイヤ」を初めて飲んだ時、
「香りも味も結構強烈だなぁ」という印象があったけれど、ソレを上回るインパクト。
今回は、その後の「サッサイヤ」の果実味と味わいのキレイさがよく分かる、引き立て役のような印象。
ほかに赤ワインで気になったのは
「イオッパ・コッリーネ・ノヴァレジ・ウヴァラーラ」2009
生産者はピエモンテ州の若手兄弟「イオッパ」。
ちなみにDOCはピエモンテ州の北にある「コッリーネ・ノヴァレ(-)ジ」。
使用品種は土着品種のウヴァ・ラーラ種。
イオッパのワインでゲンメ(※2)は飲んでいたけれど、
土着品種ものは初めて。
抑え気味のタンニン、チェリーの甘くやわらかい果実味やコショウ系のスパイスが、スルスル気兼ねなく飲める味わい。
特価ということもあり、姉男は連れて帰りました。
また、北イタリアにあるトレンティーノ アルト アディジェ州の赤ワイン
「バロン・ウィッドマン シュッドチローラー・ヴェルナッシュ」2009
使用ブドウ品種はヴェルナッシュ種。
これは南チロル地方で広く栽培されている赤ワイン品種で、
スキアーヴェ種の別名(ドイツ語で「エーデルヴェルナッシュ」。ドイツで栽培されるトロリンガー種と同じ)。
DOCはシュッドチローラー(ジュートテイロール)。
ちなみに、この南チロル地方はドイツ・オーストリアの文化圏なので特殊。
DOC名は上記のシュッドチローラー(ジュートテイロール)でも「アルド・アディジェ」でもいいことになっています。
赤ベリー系とフレッシュなセルフィーユやディルなどの清涼感あるハーブの香り。
味は、さわやかな甘さの果実味と酸が美しいミディアムボディ。ミネラルもしっかりある、夏向きの赤。
生産本数が少なく、ほとんど国内のレストランで消費という話もあるので、
爽やかな赤が飲みたい時にはおススメ。
ヘタな白よりいいかも。
個人的には豚肉と合わせたい。
まぁこんな調子で、最後のブルネロにたどり着く頃にはだいぶいい調子になり、
冒頭のバスの中で、ハッと我に返ったのでした
※1ビオ~ビオデナミ農法。人工肥料、化学農薬が存在しなかった時代の昔ながらの農法を復活させるという流れで、ルドルフ・シュタイナーという"哲学者"が提唱した農法。
化学肥料、除草剤、殺虫剤等の農薬を使わず、天体の動きなど宇宙との関係に基づいた「農業歴」に従い、月などの天体の動きに合わせて種まき・収穫などの農作業が行われる。
ビオのワインは、酸化ニュアンスが強いもの、濾過しない濁ったものもあるなど、必ずしも一般的なワインと一致しないものも。
美味しいものも多いが、姉男は過去に悪酔い経験もあり。
※2ゲンメ~イタリア・ピエモンテの北にあるDOCG(統制保証付原産地呼称)。
使用ブドウ品種は、王様のワインといわれる「バローロ」と同じネッビオーロ種主体。
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