Hodさんの快適生活

これは今は亡き母を見て感じたこと。

​母は父にとって宿命の人​に記したように、
殿様付きの刀匠だった父の祖先の霊を鎮める為に選ばれた母。
（数人の霊能者に同じ事を言われたし、私も直に聞いた話し）
霊感もとんでもなく高く、修行したらその道で生きていけるとまで言われ
そういう人間に課せられた苦労は大変だった。
それに立ち向かい、父を心より愛し、その人生を全うした強い人。
愛嬌、愛情深くはあるものの、頑固一徹な父。
次男なのに墓守もせねばならず、法事があると全てを取り仕切り、手出しも母の役目。
したくてそうなった訳でなく、父の厳命をキチンとこなしていた母。
娘から見る母は、厳格でありながら優しくて、ユーモアもなかなかのセンス。
どんな困難や壁も乗り越えて、強い、強い人だと思っていたけれど。。。
父亡き後の母は、こんなにも脆い部分があったのか。。と愕然。。
それくらい、父を慕っていたのか。。。（そこは似たかも？）

父亡き後、数年の間、私は家と実家を年に数回往復することに。
行く度に、父への恋慕で寂しさ、辛さをぶつけられ。。。
妹の優しい手紙に大泣きをし、鹿児島を離れる日には玄関先で涙。。涙。。
父が健在な頃の毅然とした母の姿は、どこにも無かった。。
幸いにも友人達やご近所さんにとても愛されて、大事にされていた母。
しかし、遠く離れた地に住む
娘達家族に会えない寂しさを募らせていたようで。。。
（だからこそ、年に数回私が往復し、盆、正月はこちらで過ごすようにしてたのに）
一緒にいるのが楽しければ楽しいほど、一人になるのが辛かったんだろうなぁ。。

最終的にはこちらに来て一緒に暮らすという目標もあり、
実家へ行った時に、きれいに住んではいたものの、
家にある家具やら、何やらをボチボチ片づけていこうと話すと。。
烈火の如く怒り、父との思い出のものは片付けない！処分しないと。。
でも、そうすると一緒に住めないよ？と言っても頑として聞かない。。
「私の気持ちなんて何にもわかっていない！なんて酷い事を言うんだ」と
終いには私が責められる始末。
妹を含め、伯父、叔父達、母の友人達、ご近所さんが
それはそれは大事にして下さるから。。結局、苦言を言うのは私の役目。
（私だってやりたくはなかったけれど、やらないと物事が進まない。。）
元々6人兄弟の中で紅一点の母。
蝶よ花よと育てられ、人生の荒波に揉まれたのは結婚してから。
それでも、故郷に帰ると歓待され、兄弟には愛されというお嬢体質。
強さだと思っていたのは、単に義理の家族に対しての意地や、
降りかかる状況に負けるもんか！という気の強さで、
孤独と感じたことは無かったのか？と今では思う。
だって、常に故郷の誰かとで話してたし。。。

往復する道中、そんな母の姿を思い返し、涙し、疲弊していく私。。
それを数年繰り返して、つくづく感じたことは、孤独に慣れる事！

同じように主人だけを頼りに結婚して住んでいるこの地。
心を許せる友人がいても、結局はそれぞれの家族が第一（当たり前）
で、母のように歓待してくれる（甘やかす）親族も皆無（遠すぎて）
時代は母より恵まれていても、取り巻く環境は孤独なものだった。
企業戦士の主人は早朝出勤～深夜帰宅。休日も少なかったなぁ～
子育てもほぼ一人。
こちらで友達作り？。。。同年代とはしなかったな。
会話しても浅いんだもの。。。あ、皆無ではなく
心を許せる年上の友人達はちゃんといます 
子供達は今でもお父さん大好き！（私のおかげだからねっ！）
子育てって自分の中の常識や価値観、倫理観、心と真正面に向き合う作業。
年上で、尊敬してて、意見を仰ぎたくても主人は不在。。。
自分と向き合い、悩み、涙し、手探りで一歩一歩前進。
子供達にいつも伝えていたのは
「健康と孤独に耐える心を持っていたら、どこへ出ても大丈夫」

そう。。。一人でいても耐えられる心があれば、
人といる喜びも深く味わえて、その感動が人間を豊かにしていく。
家族を持てば大なり小なり孤独を味わうことになる（どんなに仲が良くてもね）
それを自覚していたら、泣いて暮らすことはなくなるから。
老いとは、これから迎えるであろう真の孤独と向き合う覚悟を持つことかも。
う～ん。。
自分がどうなるかはわからないけれど、凛としていたいと願う。。

私の目標は沢村貞子さん！


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