いらっしゃいませ、マスターの濱田です。


昨日まで約一週間、旅に出ておりました。



日本のどこにいても、暖かいお天気のいい日が続いて、

空も海も青くて、とってもキレイで、

とても幸せな日々を過ごすことが出来ました。



美味しいものも、いっぱい食べちゃいました。




さて、旅行に出かける少し前のこと、

飲み屋をやっている、わたしの時計の師匠のところに行きました。




この師匠の影響で、わたしもアンティークの時計に

とても凝って、何本か所有していた時期がありました。




最近は、父親の形見の70年代の時計をいつもしていて、

コレクションしていた時計はみな手放していたのですが、

この日は飲みに行って、久しぶりに師匠の時計を貸してもらうことになりました。




この時計、師匠が時計収集家になり、時計技師にもなるきっかけとなった時計です。




今から20数年前、まだ20歳だった彼は、

「これ欲しい」っていう時計を質屋のショーウィンドウで見つけます。




で、同じ型の時計が何本かおいてある中で、

1本だけが、文字の表記の一行が赤い時計があって、

それが気に入って購入したそうなのですが、

買ってみてから、それがひじょうに希少なものであること、

そして、時計のショップに持っていけば、

質屋で買った値段では、とうてい買えないような代物だったということが

わかったそうです。




それがきっかけで、時計に深い興味を持つようになって、

収集家になり、自分でも修理もするようになり、

販売もするようになり、やがて時計技師にまでなってしまいました。



つまり、その時計との、ショーウィンドウでの出会いが、

彼のその後の人生の大きな転機になったわけです。



ところで、彼の持論の中では、運のいい時計と、

そうでない時計があるそうです。




これはただの思い込みかもしれないし、

本当にそういうものがあるのかもしれない。




それはわかりませんが、彼の時計は、

ホントに運のいい人にしか、その時計は貸さないそうです。




というか、自分の大切な友人で、「この人は！」って人には、

その大事な時計を貸してくれるということ。




実は、わたしが人生の大きな転機を迎えた、

35歳ごろ、この時計をしばらく貸してもらったことがあります。




あの時期、すごく人生が大きく変り始めた時期でした。




で、今回飲みに行って、飲んでたこともあって、

なんとなく「貸して」って、いったんですね。




そしたら、「いいよ、しばらくしときな」と、

気持ちよく貸してくれました。




よく考えてみたら、ちょうど大きな転機を実感していた時のこと、

また新しい転機に、わたしのことを助けに来てくれたのかもしないなって、

感じました。




これからも、よろしくね。





本日は当店にお越しいただき、本当にありがとうございます。

またのお越しを、心よりお待ちしております。





いってらっしゃいませ。




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