いらっしゃいませ、マスターの濱田です。


今日、不思議な体験をしました。


パソコンを立ち上げて、なにげに目にとまった映画の広告。


「禅　ZEN」という映画。


こういう映画が近々公開されることは、

それとなく知っていましたし、

公開がはじまったら観に行こうと思っていました。



と思いながら、すっかり忘れていたのですが、

広告をみて、もう公開されていることを知ります（おいおい（笑））。



で、公式サイトを観に行ったのですが、まだ映画を観てもいないのに、

なぜか、どういうわけか、魂が震えるかのような感覚、

そして思わず涙がこぼれそうになってしまいます。



なぜなんだろう？



わたしが、坐禅の道場の門をくぐったのは、２年前の夏のこと。



友人の紹介で、「本物の坐禅を修行するならば」と薦められた道場でした。



修行中はいろんな思い、感情が起こり、

そして雑念煩悩と格闘して、そして老師の厳しさとやさしさに触れ、

７日間の時を過ごしました。




最終日の前日のこと、

「どうしても悟ってやりたい」という思いが執着となり、

それが雑念となって、どうしてもそこから抜けられなくなった時、

老師の部屋を訪ね、「どうしても、今の場所から

抜けらずにいること、そこから抜け出るアドバイスを欲しいこと」を

伝えました。



その時、老師がわたしに語ってくれたのは、

ある医学博士と老師が対話した時の話でした。



博士は、「治りたい治りたい」という患者ほど治りが遅い、

それはなぜなのでしょうか？という質問をしたそうです。



老師が答えたのは、「治りたい」と思うのは、医師にかかるまで、

医師にかかれば、そこからはその人がすることは、

ただ医師を信頼することでしょうと答えたそうです。



そう、わたしは、老師の元で修行する間、

老師を信頼し、老師の教えをしっかりと聞き、

守っていると思っていました。



ですが、この言葉を聞いた瞬間、わたしはそれまで、

こころのそこから信頼していたつもりで、

我流をやっていた自分に気づかなかったことを悟りました。



その瞬間から、食事後に声をかけられた時も、

禅問答の最中も、なにげないような会話も、

いつもいつも、老師は真剣に、毎瞬命がけで、

わたしに関わってくれていたことがみえてきました。



その瞬間から、なにげない会話の一言一言で、

熱いものがこみ上げて来て、感謝の念でいっぱいになりました。



山を後にしたあと、都会の喧騒の中で、

それまでに体験したことがない、静かなこころの状態でいることに、

とても静かな感動をしたのを、今もよく覚えています。



まるで、それまでの人生が、雑音だらけで、

満足にみることも、きくことも、

ちゃんと出来ていなかったかのような感覚でした。



映画のサイトを観ただけで、こころが震えてしまったのは、

あの修行の時感じたものは、「自分はただ、生かされている」ということ。



そして今日、今になって、それがどれほどありがたいことなのかを、

感じ取ったようです。



こんな人生を生きられていることを、わたしはとてもとても幸せに感じるのです。




本日は当店にお越しいただき、本当にありがとうございます。

またのお越しを、こころよりお待ちしております。



いってらっしゃいませ。



PS　マスターの個人セッション、２月のスケジュールをアップしました