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2010年11月06日
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ノートハルモニア(篠田節子)


八王子市役所に勤務していた篠田節子さんは、
この作品で直木賞を受賞したことで退職し、作家として出発した。


脳の機能に何らかの障害のある女性由希の音楽的才能を伸ばすために、
東野はチェロの指導者として由希の施設に通いはじめる。

由希を取り巻く人々に何か秘密がある。
由希の障害に何か表に出せない理由がある。
と、感じながら読み進めた。

オカルトチックなところもあるサスペンスなんだけど、
音楽家や心理学者の仕事に対する葛藤が綴られる場面が興味深い。

芸術として、音楽をどうとらえるか。
人間が生きる意味をどうとらえるのか。

とても面白く読み終えたが
結局のところ、篠田氏の思いはどこにあるのか、
強烈な主張としては読み取れなかった。

各人に考えさせることが主張だったのかもしれないね。

音楽以外に表現方法を持たない由希の心の動きにも、
由希の生きる意味についての心理学者の見解の対比にも、
感じ入るところがあった。

古本屋の100円コーナーでなんとなく手に取ったんだけど、
いろいろな面でたっぷり味わうことのできた一冊でした。










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最終更新日  2010年11月08日 10時59分49秒
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