カテゴリ:書籍
この本との出会いも、ラジオによって…で、ござりました。
朝のニュースの、本紹介コーナーだったかと思うのですが、こうしてPCの文字打ちか何かのほうに熱中してのナガラ聴きで、途中から「あ!すごく面白そうな本の紹介を!!…でも、最初に書名を仰せに相違なく…。最後にも、もう一度、ご教示くださらないかしらん…」と、じりじりと待ったところ! この↓「街場のメディア論」!著者・内田樹(たつる)先生と!!
【内容情報】(「BOOK」データベースより) テレビ視聴率の低下、新聞部数の激減、出版の不調-、未曾有の危機の原因はどこにあるのか?「贈与と返礼」の人類学的地平からメディアの社会的存在意義を探り、危機の本質を見極める。内田樹が贈る、マニュアルのない未来を生き抜くすべての人に必要な「知」のレッスン。神戸女学院大学の人気講義を書籍化。 【目次】(「BOOK」データベースより) 第1講 キャリアは他人のためのもの/第2講 マスメディアの嘘と演技/第3講 メディアと「クレイマー」/第4講 「正義」の暴走/第5講 メディアと「変えないほうがよいもの」/第6講 読者はどこにいるのか/第7講 贈与経済と読書/第8講 わけのわからない未来へ そしてすぐに入手したのが、今年の初め頃だったでせうか…。 (出版されたのは昨年夏) 入手したものの、当時の通例によって、「ふふ、いつか読もう♪」と、積ん読山脈へ。 その積ん読山脈も崩れに崩れた3月の震災を経て…。 「本を、読もう…」という意欲が出始めて、ようやくページをめくり始めたのは、いつ頃だったでござりませうか…。 とにかく。 上記、紹介文や目次にあります通り、メディアの危機を語る本なのでありますが…。 まず驚嘆してしまったのが、以下の一文でござりました。 (内田先生は、ご自身の文章の引用を寛容にお認めくださっておられますゆえ、お言葉に甘えて、堂々、引用させていただき候☆) 例えば、インターネットは情報処理の利便性において、旧来のマスメディアをはるかに凌駕していますけれど、電力の安定供給という条件を不可欠としています。 それはつまり社会的インフラが安定している社会でしか「使い物にならない」ということです。 『電力の安定供給』 …。 原発事故と…。 計画停電のショックが尾を引いていた私めには、衝撃的な一文でござりました。 3月11日震災以前に…。 『電力の安定供給』ということを文字にしていらっしゃる内田先生に、尊敬の念を抱いた最初でござりました。 そして、本書で語られている内容にも、一つ一つ、深く考えさせていただきながら読み進んだのでありますが…。 (細かい感想は、またいずれ綴りたく存じます) 先日、ふと、開いた折、最終章、まさに結びの一文に、再び強く感じるところがありましたゆえ、そこも抜粋させていただきましょうかと…。 これは、主に、メディアの仕事に携わる人(これから携わろうとしている人)に向けて…のお言葉なのでありますが、今は、別な感慨で心に沁み入って来るのであります。 今遭遇していている前代未聞の事態を、「自分宛ての贈り物」だと思いなして、にこやかに、かつあふれるほどの好奇心を以てそれを迎え入れることのできる人間だけが、危機を生き延びることができる。現実から目をそらしたり、くよくよ後悔したり、「誰のせいだ」と他責的な言葉づかいで現状を語ったり、まだ起きていないことについてあれこれ取り越し苦労をしている人間には、残念ながら、この激動の時機を生き延びるチャンスはあまりないと思います。 Sauve qui peut(ソーブ・キ・プ)というのは船が難破したり、前線が崩壊したりしたときに、船長や指揮官が最後に宣言する言葉です。「生き延びられるものは生き延びよ」。どうすれば生き延びられるのか、それについてのマニュアルやガイドラインはもうありません。みなさんの健闘を祈ります。 『現実から目をそらしたり、くよくよ後悔したり、「誰のせいだ」と他責的な言葉づかいで現状を語ったり、まだ起きていないことについてあれこれ取り越し苦労をしている人間』 ↑ 生き延びる…というのはともかく、上記のような傾向に陥りがちの私め、心せねば…と思う次第であります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年09月02日 09時34分47秒
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