テーマ:本のある暮らし(3316)
カテゴリ:書籍
前ページの秀次さん本、発売されたころ話題になっておりましたゆえ、機会があったら読みたいな~という気持ちになっていたのですが…。
先日読了の↓こちらにて、秀次事件の根源に、想像以上に恐ろしい『精神の闇』のようなものが渦巻いていたらしいことを知り、さらに興味が高まっており。
商品基本情報 発売日: 2016年01月20日頃 著者/編集: 河内将芳 出版社: 吉川弘文館 サイズ: 全集・双書 ページ数: 198p ISBNコード: 9784642058186 商品説明 【内容情報】(出版社より) 戦国乱世を終結させ、泰平な時代の訪れを世につげた豊臣政権の誕生に、人びとの期待は高まった。一方で、対外戦争・後継者問題・天変地異などによる政情不安から、京都では不穏な事件が噴出した。秀吉の権力全盛期、絢爛豪華な桃山文化に象徴される文禄年間の治世とはいかなるものだったのか。当時の京都にくらす人びとの視線で社会の実相を描く。 秀吉政権崩壊の序曲と京都ープロローグ/不均衡な経済政策(金くばり〈『慶長見聞集』/『大かうさまくんきのうち』/金銀をくばる秀吉/公家衆への金くばり/かたみ分けとしての金銀/金くばりの本質〉/ならかし〈金商人/徳政/「南京奉行」井上源五/奈良町人の直訴/不可解な結末/政権の施策としての奈良借/町人にとってのならかし/金くばりのゆくえ〉以下細目略)/不穏な京の町(喧嘩/辻切り・盗賊)/影を落とす後継者問題(声聞師払い/狐狩り)/天変地異と政権の動揺(恠異/大地震)/京都の人びとがみつめた秀吉の時代ーエピローグ 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 戦国乱世を終結させ、豊臣政権が誕生するも、京都では政情不安による不穏な事件が噴出した。人びとの期待を背負った秀吉の治世とはいかなるものだったのか。政権全盛期の文禄年間の京都に光をあて、社会の実相を描く。 【目次】(「BOOK」データベースより) 秀吉政権崩壊の序曲と京都ープロローグ/不均衡な経済政策/不穏な京の町/影を落とす後継者問題/天変地異と政権の動揺/京都の人びとがみつめた秀吉の時代ーエピローグ 【著者情報】(「BOOK」データベースより) 河内将芳(カワウチマサヨシ) 1963年、大阪市に生まれる。1987年、京都府立大学文学部文学科卒業。1999年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。現在、奈良大学文学部史学科教授、博士(人間・環境学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 最近、キリシタン迫害ものを読んですっかり心がやられ、ちょっと別方向のものを読もう!と積ん読山脈から引き抜いたこの一冊…。 ある意味、こちらのほうが恐ろしく、陰惨極まりない内容でありました…。(←賛辞を込めたオススメ文) キリシタン迫害ものは、拷問あれこれがひど過ぎる…というのと、でも拷問する役人も自宅に帰れば普通のお父さんだったかも…という辺りで、アウシュビッツなどと同系統の『普通の人の中の、天使と悪魔』といった深淵を感じるのですが…。 こちらのような『秀吉には、陰湿で残酷な暗黒面があった』という史実を紹介している書籍からは、『天下人となるほどの稀有な才能と運の持ち主(普通でない人)が抱えていた、巨大過ぎる闇(普通でない闇)』の恐ろしさが、ヒシヒシと伝わって来るようで…。『普通人の中にある悪魔』とは、別種の怖さを垣間見る思いです。 親密だった周囲の幾人かを抹殺したばかりか、多くの武将を動かし(秀吉自身は国内にあって)朝鮮を蹂躙した…というのも、一人の人間に収まり切れない巨大な『精神の闇』が噴出した、ある意味『自然な』流れだったのかも…と。(大陸は激烈迷惑) …話は戻りますが、「落日の豊臣政権」表紙の南米ピラミッド状の塚、秀次一族が惨殺された上に築かれたものなのだそうです。 一見、ほのぼのとした緑の小山に見えなくもないこの絵、事件の詳細を知った上で眺め直すと、背筋がぞわぞわとして来るような…。 本編の内容、秀次事件の他、秀吉が行っていた『公共事業イケイケ推進のため、下々にムリヤリ金貸して利息取るぜ!』『でも一部では金も配っちゃうぜ』といった政策や、『震災でお城壊れちゃったから、建て直し費用かかる~~』という伏見城ネタなど、いつの話??といった気持ちにも。 数年後、読み返した時「ああ…あの頃、出るべくして出た本だったんだな…」と、より強く思うような気がして参りましたー。 (※この書籍、熊本の震災の前に発売されているので、伏見城倒壊クローズアップは、偶然のタイミング…) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年06月12日 21時57分11秒
[書籍] カテゴリの最新記事
|
|